ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

オムライス@御影公会堂食堂

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 昨日芦屋へ出かける際に昼食をどこでとろうかと考えてふと思い出したのが御影公会堂食堂のオムライスでした。

Photo_2  神戸市立御影公会堂は昭和8年地元の酒造家嘉納治兵衛氏の寄付により建てられ、戦前は文化人や経済人のサロンとして賑わったそうです。
 神戸大空襲の際にも奇跡的に焼け残リました。ジブリのアニメ「火垂るの墓」で、焼け野原にぽつんと一件建物が残っているシーンを覚えておられる方もおられるのではないでしょうか?あれがこの御影公会堂です。おそらく石造だったため、火事に強かったのでしょうね。というわけで、もう70年以上経つわけですが、まだ当時のままの建物で地元市民に愛され、利用されて続けています。

Photo_4  そしてここの名物が地下の食堂。昭和8年当時からずっと営業しておられますので、その雰囲気は昭和初期そのもの。以前浅田次郎の「地下鉄(メトロ)に乗って」という映画を紹介した事がありましたが、薄暗い地下に下りるとまさにそんなタイムスリップ感覚を味わえます。ちょっと入るのが怖い気もしますが、中は意外に広くてアール・デコ風で天井も高く、堀込の庭の窓から採光もなされていて明るいです。

Photo_5  名物はオムライス。もともとは高級サロンに集まる名士たちの子供さん用の裏メニューだったそうですが、昭和35年ごろからメニューに載せるようになり、今ではこの食堂の看板メニューとなっています。取材も多いんでしょう、フットやオセロのサインもありました(笑。
 卵は外は昔風に固めですが内側はとろりと柔らかく仕上げてあります。ソースは淡路産タマネギや赤ワインをじっくり煮込んで作られています。とここまで書くとどれだけ美味しいのだろうと思われるかもしれませんが、中のチキンライス自体が至ってシンプルなこともあり、本当に昔と変わらぬ素朴な味でした。
 メニューに載せたころは80円くらいだったそうです。今回食べたのはオムライス・セットでスープとサラダがついて850円。物価の変動と質を考えると安いメニューだと思います。