(Tomoyo Harada @ Age )
私がこのブログで唯一人「様」付けで呼ぶ至高のアクトレス・シンガー、原田知世様のコンサートに久しぶりに出かけてきました。もう数度目になりますが、調べてみたら拙ブログでのライブレポートは初めてなんですねえ、「A Day Of My Life・ツアー」かGontitiさんとのコラボアルバム後のゲスト出演がライブ観戦の最後だったのかなあ。
という訳で、40歳を超えてますます円熟味を加えた知世様、新装なったサンケイホール・ブリーゼのステージで、先日ご紹介したアイスランド録音の新譜「Eyja(島の意)」を中心に、中期・初期の懐かしの名曲まで、なんと3度のアンコール、19曲を熱唱、もう感無量でした。
Live Tour 2010 "Eyja"
Place: Sankei Hall Breeze, Umeda, Osaka
Time: Feb. 27th., 2010, !7:30-
Tomoyo Harada and Young Masters are
原田知世 (vo, g, tamborine)
伊藤ゴロー (g. etc)
梅林太郎 (kbs)
伊藤彩 (vn)
ミト (b)
千住宗臣 (ds)
Arts: エドツワキ
Setlist
1: LOVE-HOLIC
MC-1
2: marmalade
3: FINE
4: UMA
MC-2
5: 中庭で
6: 朗読 ~Giving Tree ~ instrumental
7: voice
8: 夢のゆりかご
MC-3
9: リセエンヌ
10: 地下鉄のザジ
MC-4
11: ロマンス
12: You Can Jump Into The Fire
13: そばかす
MC-5(メンバー紹介)
14: ノスタルジア
15: 青い鳥
EC-1
1: 黒い犬
2: くちなしの丘
EC-2
3: ハーモニー
EC-3
4: 時をかける少女
事前に密かに調べておいた仙台のセットリストとは全く異なる構成、また前日は山口県の旅館でのアコースティック・ライブと、今回のツアーは一回毎に全く構成を変えるようです。そこでこのレポートも久しぶりに一曲ずつ全解説してみましょう。
1: LOVE-HOLIC
定刻を10分くらい過ぎて会場が暗転、スクリーンの後方より光が当たり、マーチングバンドのの影絵が浮かび上がります。ちなみに今回のアート担当は知世さんのご主人、エドツワキ氏です。幸いと言うか、悔しいと言うか、良い関係が続いているようですね。
そのバンドの賑やかな音が止んでステージが明るくなり、メンバー全員と共に原田知世さんも登場。おかっぱ頭に黒の羽根飾り、黒のツーピースに白いフリル、黒のストッキングにハイヒールの凛々しいお姿。誰かが好きそうやな(爆。ちょっと化粧は濃くなったけれど、やっぱり綺麗です、知世さん。
その彼女、スタッフに渡されてなんとアコギを弾き始めました!これにはビックリ、初めて見ました。あとで「初めて挑戦してみました」と申されてましたし、Amから指が殆ど動いてなかったような(苦笑。
で、一曲目は全員が最前列に並んでアンプラグドの演奏が始まりました。曲は浮遊感漂う知世さんらしい不思議系の曲「Love-Holic」、「My Pieces」に収録されています。曲が終わっての挨拶での久しぶりの知世さんの生声に感激(単純やな)
2: marmalade
3: FINE
メンバーが所定の位置につき、いよいよ本格的に演奏が始まります。新譜からの選曲はおそらくハーモニーから入るだろうと思っていたので予想外の展開。アイスランド系フレーバーを加えながらもハードな演奏のmarmaladeはちょっとPAの調子が悪い上にやや音量オーバー気味でしたが知世さんはタンバリンを叩きながら乗っています。続いてビデオクリップにもなっていた「FINE」が続きます。Fineでもアコギを弾いておられましたが、今度はちゃんと運指してましたけど、音は出てなかったような。。。ま、このあたりからようやくバンドの音も落ち着いて来ました。
4: UMA
ここから中期の鈴木慶一時代の曲が二曲。まず、バックのスクリーンに馬の影絵が ずっと写っていたのでやるだろうと思っていたUMA。鈴木慶一三部作の最後を飾った「Egg Shell」からの選曲です。
このあと、久しぶりのツアーについて、一昨日の山口県へ向かう飛行機が霧で遅れた話など、楽しいMCが入ります。
5: 中庭で
出ました、鈴木慶一プロデュース時代の名曲、「中庭で」、次の「Giving Tree」とともに中盤のハイライトとも言える感激の一曲でした。彼女がお嬢様シンガーから本格的なアーチストを目指す転換点になった名盤「Garden」に所収されています。このアルバムは鈴木慶一ファンにも評価が高いんですよ。
6: 朗読 ~Giving Tree ~ instrumental
後ろに再び影絵が登場、どうも木のようです。そして知世さんが絵本を手に取って朗読を始めます。朗読は以前、「象のババール」でも披露していたように、知世さんが力を入れている芸術表現手段。それに続いて新譜の中でも特に神秘に満ちた雰囲気を醸している「Giving Tree」が始まりました。
愛が欲しいのならば
愛を与えましょう
けれど愛の意味を
なにも知らないんでしょう
なんて知世さんに言われたら魂を抜かれちゃいそうです。
そして一旦知世さんが退場、その間もバックのメンバーの演奏が続きます。と言う事は、衣装替えの時間、ですね。
7: voice
8: 夢のゆりかご
再登場した知世さんは今度は純白のバレエ風のコスチューム。まるで白鳥の湖でした、黒のストッキングとハイヒールはそのまんまですけど。曲はまた新譜から「voice」と「夢のゆりかご」。オルゴールのようなアレンジが途中に挟る曲で、知世さんはパントマイム風の振り付けをつけて踊ります。 元々クラシックバレエの素養のある知世さんですが、今回の振り付けの為に有名なバレエダンサーの方からレッスンを受けたそうです。
まあそれはそれとして、新譜からの選曲についてはもう少しアイスランド音楽を積極的に取り入れて欲しかったし、アイスランドの話もして欲しかったですね。全体にロックっぽいアレンジでリズムセクションのグルーブ感は凄かったですが、それが彼女の音楽性に合ってるかどうかが微妙なところです。。。
9: リセエンヌ
10: 地下鉄のザジ
今回は懐かしい曲にも挑戦しますという事で初期からのファンには涙モノの二曲。「リセエンヌ」は17歳のお祝いに坂本龍一教授が彼女の為に書き下ろしてくださった曲です。
「17歳の時にいただいて歌って、早いものでもう四半世紀が経ってしまいました」
と語る知世さんに会場から笑いと拍手が。「地下鉄のザジ」は大貫妙子さんの曲ですが「夢のゆりかご」も今回書いていただいて、
「今もとても良い関係が続いています」
と語っておられました。スクリーンに「ZAZIE」の文字が浮かび上がって、演奏の乗りもとても良かったです。
11: ロマンス
ここで、いよいよ彼女のキラー・チューン、「ロマンス」。賑やかに盛り上がりますねやっぱり。
12: You Can Jump Into The Fire
「A Day Of My Life」に入っている結構ハードなナンバーですが、彼女、この曲を気に入ってるみたいで、前回見たツアーでもオープニングに持ってきてた覚えがありますし、今回仙台ツアーでもオープニングチューンだったようです。このナンバーでのダンスも見事。
13: そばかす
新譜からの優しい雰囲気の曲、そばかすが終わるとメンバー紹介があり、いよいよ終盤の2曲に突入。
14: ノスタルジア
今回のコンマス、伊藤ゴローとのコラボレーションが始まった前作「Music&Me」からの選曲。これと「くちなしの丘」は絶対入ると思ってました。
15: 青い鳥
最後に心をこめて歌います、と紹介された新譜のエンディング曲。本当に心に沁みました。終了後全員が前に出て挨拶して退場。
EC-1
1: 黒い犬
再び影絵。最初は良く分かりませんでしたが、犬だと分かったので、ああ「黒い犬」だなと思いました。スクリーンが上がると黒い犬のぬいぐるみを抱えて白のTシャツとジーパンの知世さんが再登場。ジーパンには小さな白い骨のアップリケが幾つか。凝ってますね。新譜の中でも特に可愛い曲、「黒い犬」に会場は大盛り上がり。
2: くちなしの丘
そしてここに先ほど述べた「くちなしの丘」を持ってきました。そして再び一旦退場。でも当然ながら会場の拍手は鳴り止みません。まあもう一回はありますよね。
EC-2
3: ハーモニー
セカンドアンコールでついに新譜の一曲目、アイスランド・フレーバーと知世さんの浮遊感がマッチした佳曲「ハーモニー」。これで終わりでも十分満足でした。事実、一瞬会場が明るくなりかけたんですが、それでも会場の拍手は鳴り止みません。再び暗転してステージが明るくなり、知世さんが感無量の表情で登場。続いて伊藤ゴロー、伊藤彩の二人だけが再登場。さあ挨拶だけか、もう一曲やってくれるのか!?知世さんの
「もう一曲やります!」
の声に会場の興奮はピークに。
EC-3
4: 時をかける少女
やってくれました~、もう涙涙。知世さんがこの歌を歌うのを生で見られるとは。。。。。それも伊藤ゴローのギターと伊藤彩のヴァイオリンのアコースティック伴奏で、「Music&Me」でのボサノバ演奏をより磨きあげたような美し過ぎる演奏。この曲が終わった時、もう望むべきものは何一つありませんでした。ありがとう、知世さん。そしてYoung Mastersの皆さん。とか言いながら「シンシア」も聴きたかったかも(苦笑。
気がついたら買うつもりのなかったTシャツを買っていました。