ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Greatest Hits Live / Three Dog Night

Greatest Hits Live
 前回紹介したKing Crimson IIIが超難解な音楽に取り組んでいた頃に、徹底したエンターテインメント性とポップで良質な曲選択で人気を博していたのがスリー・ドッグ・ナイトでした。往年のファンには懐かしいこのグループの未発表ライブ音源が12曲収録されたアルバムが出た事をMidge大佐さんのブログで知り、懐かしい思いがしました。

1. One Man Band
2. Family of Man
3. Easy to Be Hard
4. Never Been to Spain
5. Mama Told Me (Not to Come)
6. Old Fashioned Love Song
7. Eli's Coming
8. Liar
9. Celebrate
10. Try a Little Tenderness
11. One
12. Joy to the World

Cory Wells (Vo)
Chuck Negron (Vo)
Dunny Hutton (Vo)
Mchael Allsup (g)
Jimmy Greenspoon (kbds)
Floyd Sneed (ds)
Joe Schermie (b)

 このバンドは1967年にダニーを中心に結成され、ヴォーカルが3人という当時でも珍しい構成でした。バックの4人はスカウトされた腕利きのミュージシャンでしたから、当初から高い演奏能力を有しており、また殆どの曲は「外注」で、ある意味商業的ロックの魁だったのかもしれません。その選曲眼は抜群でヒットを連発し、このライブの頃は全盛期だったと思います。 このツアーは1972年~1973年に行われた壮大なワールドツアーで、欧州、北米、オセアニア、そして日本を回りました。本作の音源はドイツ、イギリスのもので、これだけ良質な録音がよく未発表で残っていたなと思います。

Tdn1  実はこのツアーのライブ・アルバムはツアー終了後間もなく「Around The World With Three Dog Night」と題して発表され大ヒットしました。「80日間世界一周」にかけたと思われる気球の写真のジャケットが壮麗な、凝った作りの二枚組みで、今回久しぶりに取り出してみましたら、3300円のプライスタグが貼ってありました。当時の厨房には高価なポップ・アルバムを何故プログレ命の私がわざわざ買ったのか?記憶にございません(笑。

Tdn2  ちなみにこのアルバムにはソロ演奏を含めて17曲が収録されており、殆どの曲は今回の未発表音源とダブっています。久しぶりに通しで聴いてみましたが、ボーカル、演奏とも当時の最高水準といって過言はないでしょう。上手いというより、関西弁で言うところの「達者」なグループだったと思います。だからライブならではの盛り上げ方も心得ており、随所でライブならではのフェイクや煽りを入れており、その熱気をこのアルバムは余すところ無く伝えてくれます。

 特に「Eli's Coming」でのコーリーの白人とは思えない濃いボーカルは凄くて、このアルバムの白眉でしょう。個人的には当時英語の授業で習ったばかりだった「have never been to  = まだ行った事が無い」という言い回しが頻出する「Never Been To Spain」が凄く好きになりました(笑。また、「Joy ToThe World」「Black And White」には微笑ましい日本語のMCが入っており、少なくともこの二曲は日本公演を収録したものだと分かります。

 ただ、この「Around The World」はごった煮的に世界中での録音をつぎはぎしている事、CDではアナログのジャケットの凝った作りを楽しめない事が欠点といえば欠点です。その意味では今回のアルバムの方が収録曲の選曲も良いし、2箇所だけの音源でまとまりもあるし、音も未発表音源とは思えないほどのクオリティだし、止めに、、、安いし、Midge大佐さんのおっしゃるように、超お買い得だと思います。往年のファンのみならず、知らない若い世代の人にも是非聴いていただきたいアルバムだと思います。

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