ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Box Emotions / Superfly

Box Emotions
  最近巷で大騒ぎなのがビートルズ・ボックス・セットとSuperflyの2nd album「Box Emotions」。Boxつながりですな(笑。てな冗談はさておいて、抜群の声量と歌唱力を持つ越智志帆の事は以前から気になっていたのでそちらを聴いてみました。

1. Alright!! 
2. How Do I Survive? 
3. Searching 
4. My Best Of My Life 
5. 恋する瞳は美しい 
6. やさしい気持ちで 
7. 誕生 
8. Bad Girl 
9. See You 
10. 春のまぼろし 
11. アイデンティティの行方 
12. Hanky Panky 
13. 愛に抱かれて

 1の「Alright!!」からパワー全開、徹頭徹尾脅威のハイテンション。13の「愛に抱かれて」で漸く大人しくなって、一応こういう曲も入っていたかとほっとしました(笑。それまでの12曲中にバラードも無いわけではないんですが、それでさえ朗々と歌い上げるその歌唱に加えてバックのインストも尋常じゃない。まるで昔のハードロックの世界ですな。そう言えば2の「How Do I Survive?」のイントロなんて、まんまストーンズキース・りチャーズじゃね?

 そのハイテンションに録音がJ-POPですから、 音圧バリバリ。DG-38でレベルを自動調整してあるからいいものの、ほっときゃサチュりまくりでしょうな。アナライザ画面みても始めから終わりまでエアーズロック状態(笑。ずーっと殆どの帯域で-20~-10Hzをキープしております。

 とまあ、ちょっと否定的な事を長々と書いてしまいましたが、彼女の歌唱力の凄さは素直に認めざるを得ません。ちょっと変な喩えですが、阪神の藤川投手を思い浮かべてしまいます。彼がクローザーとして9回をあの剛速球で締めくくるのは阪神ファンにとってはこの上ない快感です。球場で生で見れば更に感動するでしょう。それと同じように、彼女の曲を一曲だけとって聴いてみればどの曲も完成度は高いし、ライブはおそらく鳥肌モノの感動が得られるでしょう。
 が、アルバムとなるとこれはやはり全体としての出来で評価されるべきであり、いわば先発完投型のピッチングを要求されるわけです。緩急や球種の多彩さ、そしてペース配分を考えないといけない訳で、そういう意味においてこのアルバムはまだまだ一本調子であり、ダルビッシュ杉内の域には達していないと感じます。

 喩えを歌手に戻してみます。おそらく彼女のようなタイプの歌手が一つの目標にしているであろうジャニス・ジョプリンの代表作「Pearl」を例にとってみましょう。彼女の本来の持ち味である「Move Over」のような熱唱型の曲がやはり多数を占めていますが、その合間にギター一本をバックにうまく力を抜いて歌うカバー曲「Me And Bobby McGee」や、愉快なコーラス曲「Mercedes Benz」なんかが絶妙のアクセントをつけており、アルバム全体として楽しめる作品となっています。
 iTunesなどで好きな曲だけDLできたりデジタルプレーヤーで好きな曲だけ聴けたりする現在ではそのような価値観jはもう古いのかもしれませんが、願わくばSuperflyにもそのような緩急をつけたアルバムを今後は期待したいところです。

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