ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

TL第一節:神鋼対サントリー戦

Vssuntory
 先週の金曜日にいよいよ今季のラグビートップリーグ(TL)が開幕しました。開幕戦の前季のTL優勝の東芝と日本選手権王者の三洋との戦いは三洋に軍配が上がり、今年は去年にもまして混戦が予想されます。
 下部から昇格した慶応卒の山田のいるホンダヒートやオーストラリア元代表ラーカムを要して再起して来たリコーも侮れません。去年の中位チームも虎視眈々と上位を狙っています。TLに順応してきたドゥラームのいるクボタがかなり暴れるんじゃないかと恐れております。
 というわけで去年何とかベスト4に食い込んだ我が神鋼スティーラーズも安穏としてられません。よりによって第一節は去年大敗したサントリー戦。と言うわけで体調不良の体を引きずって長居第二陸上競技場まで出かけて観戦してまいりました。いやあ冷や冷やモノでしたが何とか引き分けに持ちこんでくれました!

Nangai3
神鋼 24 - 24 サントリー

前半 12 - 17
後半 12 -  7
(規定によりMOMはなし)

 相手が地力に勝るサントリーですから、去年と同じようにもう空中戦しかありません、と言う事でSOは久々に見る森田君。神鋼東芝ヒルや三洋のブラウンのような「KING]をSOに固定できればいう事ないんですが、残念ながらどれだけのタレントはいませんのでゲーム毎に選択していく事になると思います。
 今年はヒルゲンドルフ正面(今季はやっぱりダメらしいですが)も入部しましたし、菊池もいますし、森田もそろそろ頑張らないといけません。デビューした年は日本代表に選ばれたのが嘘のように萎縮してミスキックを連発したり試合判断が悪かったりでがっかりした覚えがあるのですが、今回は得意のキックも当たっていましたし、状況判断、ディフェンス等随分成長していて頼もしくなりました。これならしばらく固定して使ってもいいんじゃないかと思いました。

 さて、前半は個々のフィジカルを鍛えた成果が現れ、アキレス腱断裂から復帰のキャプテン大畑のごっつぁんトライも含めて前半の30分までで12-7とリード。これには観客席も大いに沸きました。
 しかしそこからまたまた神鋼の悪い癖が出てしまいます。後10分守りきってくれと思っていたら、BKがキックに徹せずに安易に自陣でボールを回して奪われる判断ミスで逆転され、おまけに8番谷口君がしょうもないシンビン食らってホーンが鳴った後にPGを食らうという最低の展開で前半終了。
 今季平尾GMが課題に挙げている「クリティカル・モーメント」の重要さを判断できていない象徴的な残り10分であり、今後の大きな課題だと思います。

 後半も開始早々にキャッチミスから小野澤の個人技であっさりトライを決められ、もうこれまでか、と思ってから粘りました。頑張ってディフェンスしつつ、全員に再度キック戦法を徹底。敵陣に蹴りこんで敵陣でプレーする事により反則を誘いPGを重ねていきます。そしてホーン間際に後半4本目のPGを森田が決めて同点でノーサイド。トライを狙わなかったのでブーイングも出てましたが、ま、サントリー相手じゃ仕方ないですね。

Nagai2  今日はMOMは無しですが、当方ではキックゲインやキックパスなどに成長を見せ、後半3PGを冷静に決めた森田でしょう。残念だったのはデルポートが今一つ当たっておらずそれ程難しくない1PG1Gを外した事で、結果論ですがあれが決まってたら勝ってましたね。
 フォワードではやはりウォレスハリソン。彼がいる事によりサントリーのようなセットプレーの強い相手でもラインアウトで確実にマイボールを支配できる事が分かって収穫だったと思います。あと、やっぱり後半から伊藤剛ジョシュ・ブラッキーを投入した事により流れがよくなりました。ベテラン伊藤さん、今年もよろしくお願いします(笑。

 とにもかくにも前季空中戦法全く通じずに大敗したサントリー相手にスクラムラインアウトを互角に戦え、80分フィジカルが落ちなかったのは成長の証でしょう。まだ接点での強さはサントリーの方が上で、ターンオーバーが一本も無かったのが大きな課題です。

 相手ながら凄く期待していた元オーストラリア代表のSHグレーガンは意外にオーソドックスなプレーに終始しており、むしろ新人SOのトゥシ・ピシの方がトリッキーなサインプレーやスピーディな動きで目だっていました。NZ出身らしいですが、どちらかと言えばオセアニア系の(去年までうちにいたホラのような)SOですね。

 というわけで、今年も上位に食い込めそうな気配はありますが優勝できるだけの力はまだないです。とにもかくにも一戦一戦を大事にして試合をこなしながら平尾GMの掲げる「クリティカル・モーメント」「アージェンシー」「エクシキューション」という3点を全員が意識して戦えるチームになってもらいたいものです。