ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ハリー・ポッターと謎のプリンス

Action3
はむちぃ: 皆様こん**は、本日の映画レビューはただいま劇場公開中のハリポタシリーズ第6作目となります「ハリー・ポッターと謎のプリンス」でございます。主人公の皆様も随分成長なさいましたね。しかし、何故に冒頭写真がダニエル・ラドクリフ様ではなくてエマ・ワトソン様?
ゆうけい: 「賢者の石」を再鑑賞するのも一興かもしれませんね。まあ、一番成長が楽しみなのがエマですから(笑。
は: さすがtwitterでエマ様をフォローされておられるだけの事はございます(-.-)(ボソッ。
ゆ: これこれはむちぃ、余計な事はイワン・レンドル。

『人気シリーズ第6作。ハリーの宿敵ヴォルデモートの過去が描かれる。幼少期のヴォルデモート=トム・リドルを演じるのは、レイフ・ファインズの甥ヒーロー・ファインズ・ティフィン。ヴォルデモートとの最終決戦が迫っていることを予感するダンブルドア校長は、ハリーとともにヴォルデモートの守りをとく手がかりを見つけようと、かつて学生時代のトム・リドルを教えたこともあるホラス・スラグホーンを魔法薬学教授として学校に迎える。

Harry Potter and the Half-Blood Prince 
2009年、イギリス、アメリカ、154分
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:デヴィッド・イェーツ 
原作:J・K・ローリング 
脚本:スティーヴ・クローヴス 
出演:ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント エマ・ワトソン ヘレナ・ボナム=カーター デイビッド・ブラッドリー  アラン・リックマン 他』

は: う~む、前回「フェニックスの騎士団」のレビューでご主人様がおっしゃったように、最終話へのブリッジという難しいシチュエーションではございますが、この作り方はいかがなものでございましょう?
ゆ: 今回もDVDになるまで待った方がよかったかもね~(嘆息。はっきり言ってハリポタ史上最低の作品でしょう。デヴィッド・イェーツもついに血迷ったか、と思わざるをえませんねえ。一応前回と同じように箇条書きにしますと

「原作の改竄とさえ思えるほどの脚本の致命的な失敗」
「演出過剰なのに緊張感がない」
「ラブコメなのに暗い」
「俳優に魅力がどんどん減じていく」
「CGに余り見るべき物が無くストーリーと絡んでこない」

今回は褒め言葉が見つかりませんねえ。

は: 巷間言われておりますように、学園内での恋の鞘当てが過ぎると言うところでございましょうか。
ゆ: 一番の問題はそこでしょうね。回を追う毎に長尺となっていく原作を3時間程度にシェイプアップしていく作業が大変なのは分かるのですが、今までは

ハリー・ポッター・サイド 対 ヴォルデモート軍団」

という原作全体を通して貫かれている構図を中心にすえる事だけは忠実に守っていたと思うんです。ところが、今回はあまりにも変更・脚色が過ぎて、はむちぃ君の言うようにラブコメと化した中間部で完全に映画が弛緩してしまい、シリーズ全体を通して守られてきた緊張感が完全に失われてしまいましたね。
は: デス・イーターに任命されたドラコ・マルフォイ様だけがやたら悩んでいるのが痛々しゅうございました。
ゆ: ハリポタ軍団がやたらいちゃいちゃしまくってるので、痛々しいのを通り越して滑稽にさえ思えましたね。ひとえにイェーツ監督の責任でしょう。

は: 最初に人間界の近代的なミレニアム橋が崩れ落ちるところは凄いCGでございましたが、それだけで終わってしまい、学園どころか魔法界全体、更には人間界にも崩壊の危険が迫ってきていると言う切迫感がまるで無かったですね。
ゆ: それなのに雰囲気だけはやたらと暗い、これでは一体どういう映画を作りたかったのかわからないですね。大体からミレニアム橋が崩れ落ちると言うのは原作には無い設定で、あそこまでやるなら魔法省と英国政府の交渉をちゃんと描いても良かったと思います。他のCGではアイルランドの有名な海岸線をロケして合成した洞窟の入り口のシーンは壮大で目を見張りましたが、洞窟の中に入るとちゃっち過ぎてこれもアンバランスになってしまいました(涙。

は: それに今回はヴォルデモートは姿さえ見せず(若い頃を除く)、デス・イーター軍団の攻勢も殆ど描かれませておりませんね。
ゆ: ヴェラトリックス役のヘレナ・ボナム=カーターだけはやたら頑張ってますけど、やる事がせこ過ぎて腹立たしくさえ思いました。実は原作では終盤にヴェラトリックスをはじめとするデス・イーター軍団がついに学園内に侵入し、学園サイド+不死鳥の騎士団と壮絶な死闘を繰り広げた末についにダンブルドアが斃れるのですが、その本作でも一番重要な場面をばっさり切り捨ててしまうとは呆れてものが言えません。
は: 前回は死闘の末にシリウス・ブラック様が斃れましたのでそれなりの感動もございましたが、今回は呆気なかったですね。
は: ダンブルドアの最期をあのように軽くしてしまうとは、原作の大きな流れを完全に損ねてしまいましたね(嘆息。

は: そこまでして描きたかったラブコメシーンも何かだらだらしてるだけと言う気もいたしました。
ゆ: もともと個人的には原作でのハーマイオニー・グレンジャーの知性的な部分を描いていない事がこの映画シリーズを通しての一番の不満だったのですが、もう今回に至って堪忍袋の尾が切れました。切れついでに言わせていただくと、ハーマイオニー役のエマ・ワトソン以上の美人を持ってくるのがまずいと判断したんでしょうけど、他の女子が軒並み不●工過ぎて、勝負にも何にもならんじゃないですか。逆にエマくらい魅力のある俳優をオーディションして来いって言うんですよ。
は: おおっ、ご主人様、今回は相当お怒りでございますね(^_^;)。他に魅力的な女優様はいなかったのでございますか?
ゆ: エマの次に美人なのがヘレナ・ボナム=カーターじゃねえ。胸の谷間勝負ではヘレナが貫録勝ちしてましたけど(笑。色恋に関係無いところでは、前回も申し上げましたがルーナ・ラブグッド役のエバナ・リンチが、今回もコケティッシュな好演を見せてくれましたけどね。

は: 常連の俳優さんはいかがでしたか?
ゆ: ただ一人、セヴェラス・スネイプ役のアラン・リックマンだけがその存在感を際立たせておりましたね。
は: 味方か敵か分からない不気味さを重厚な演技で演じ切っておられましたね。
ゆ: 他のレギュラーが年を重ねるに連れ魅力を失い下手な脚本と演出の犠牲となる中で、彼だけは超然としていて素晴らしい。率直に申し上げて、この後の原作の流れを鑑みて、ハリーの取り巻きよりも彼を準主役級にして脚本を組み立てていった方が良かったのではないかと思いますね。

は: というわけで今回はトホホなブリッジ作品となってしまいましたが、とりあえず最終話「死の秘宝」へのつなぎ役は最低限果たしたと言うところでしょうか。
ゆ: セヴェラスがダンブルドアを倒した事と、分霊箱の謎を説明した事だけがこの映画の意義だったとはまあ情けないですねえ。
は: それと殆ど気づかないほどの扱いでございましたが、冒頭で魔法杖店のオリヴァンダー様が誘拐されたことも忘れないで下さいませ。と言うことで、「死の秘宝」第一部は来年11月、第二部は2011年夏公開だそうでございます。
ゆ: 皆さん気長に待ちましょう(笑。ちなみにアラン・リックマンヘレナ・ボナム=カーターは来年春のティム・バートン作品「Alice In Wonderland」に出演するはずですのでお見逃し無く!

は: ではご主人様、最後に一言お願いいたします。
ゆ: 正直に申し上げて映画館の入館料に見合うだけの映画ではないと思います。それと、これは原作にも言えることなのですが、「Half-Blood Prince」は「混血のプリンス」であって「謎のプリンス」ではありません。こういう自主規制は日本語への冒涜です。

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