ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

もやしもん8

もやしもん 8―TALES OF AGRICULTURE (イブニングKC)
 拙ブログのコミックス・レビューのレギュラー、「もやしもん」の新刊です。表紙は新キャラの加納はなちゃん27歳とビール酵母S.セレビシエ君です。8巻に至っても主人公の沢木直保はまだ一度も表紙を飾れません。しかもはなちゃんの登場によって身長詐称疑惑までも勃発(笑!一方の結城螢(男)はますますその美貌とコスプレに磨きが。

 わざわざビール酵母と書いたように本巻は全編ビールがテーマとなっております。まるでビールのために一冊書き下ろしたかのようで、夏の出版にはぴったりですね。とかいいながら、お酒の飲めない私には最初の展開はやや重くてかったるかったです。が、途中から俄然熱気を帯びてきて最後は怒涛のビール・フェストが展開され、過去最高の盛り上がりを見せてくれました。著者も相当の入れ込みようで、最終話では担当さんが

「今回の原稿には本当に驚かされました。たった独りで全部描いてるんですよ」

と欄外コラムで述懐しております。そこに出てくる地ビールを中心とした日本中のビール会社への呼びかけにも熱がこもっております。思わず先日のマーラー7のアンケートを思い出しました(笑。

 さて、今回の主役はミス農大にして無類の酒豪武藤葵地ビール会社の社員加納はなさん。地ビールに偏見・反感を持つムトーと、地ビールを広めたいはなちゃん。この二人の対比が核とはなるのですが、美味しんぼ風の単純な対決的ストーリー構成にはならないところがもやしもんの良さでしょう。ビールも酒も飲めない私がそれなりに引き込まれるんですから、ビール好きの方ならきっと「笑って」読了できると思います。

 気になるのは日吉酒店店主菊二

「おめー本当に樹慶蔵の子供かね?」

とムトーに尋ねているところ?えっ、そんな設定あったっけ?と、ますます謎は膨らみつつ、連載開始から4年経ってようやく11月に至った超ノンビリ漫画はまだ続く。。。多分。