ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

No Line On The Horizon / U2

ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン  
 日本人写真家杉本博司氏の「海景」の表ジャケを見ただけで手に取りたくなる、U2の約4年半振り通算12作目となるスタジオ・アルバムです。まあとりあえず押さえとかないといけないアルバムでしょう。

1. No Line On The Horizon 
2. Magnificent 
3. Moment of Surrender 
4. Unknown Caller 
5. I'll Go Crazy If I Don't Go Crazy Tonight 
6. Get On Your Boots 
7. Stand Up Comedy 
8. Fez - Being Born 
9. White As Snow 
10. Breathe 
11. Cedars Of Lebanon

 U2の黄金時代を築いたDaniel LanoisBrian EnoSteve Lilywhiteの御三家が全員Produceに復帰しただけあり、さすがの素晴らしい仕上がりになってます。このところポップに走っていた感があるU2でしたが、分厚いサウンド・ウォールで陰影をつけながらも透明感のあるロック・サウンドが戻ってきました。「The Unforgettable Fire」のあたりが好きな方、ラノア・サウンド&イーノ・エフェクトの好きな方には、もう「No Line On The Horizon」の出だしからたまらない展開です。

 惜しむらくは「The Joshua Tree」のような単体でも大ヒットしそうな曲が無いところでしょうか。早速シングルカットされた「Get On Your Boots」はそれでもまあヒットはするでしょうけど、この曲だけそれ以外の曲から浮いている感じは否めないですね。

 まあ、同じイーノがプロデュースに携わったColdplayのような、これからが勝負でシングル・ヒット曲をバンバン出さなければならない若いバンドではないですし、良くも悪くもU2+御三家も年齢と経験を重ねたと言うところなのでしょう。ボノのキーも全盛期よりは下がってきたし、エッジのギターは昔ほど殺気だっていないし、ラリーのドラミングも随分老練になってきたなと思います。それでもいまだにこれだけのエネルギーで完璧なU2サウンドを作れるところに彼らの底知れぬ力を感じます。

 と言うわけで1でU2復活に涙し、渾身の大作3,4に圧倒され、バラード曲9に和み、ラストの11におけるボノのつぶやくような歌唱にその意味を探りつつ終わる、トータル・アルバムだと思います。長い年月を経てU2の新たな傑作が誕生した事を祝いましょう。

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