PLUTO 豪華版 7 (ビッグコミックススペシャル)
浦沢直樹が手塚治虫の鉄腕アトム「地上最大のロボットの巻」のリメークに挑戦したPLUTOの7巻が出ました。前巻では、この作品の主人公として扱われていたゲジヒトがついに斃れ、残されたのはエプシロンのみ。と言うわけで当然ながら本巻はエプシロン対プルートゥの対決が中心となります。そして次巻が最終巻である事がはっきりと予告されています。
予想通り、エプシロンの能力はプルートゥをはるかに凌駕しています。一旦は勝利を収めるエプシロンですが、予想通り、彼の優しさが、、、後は伏せておかないと浜村淳症候群(関西限定ネタ)になっちゃいますね(笑。一つだけ本巻の見所を挙げておくと、今まで竜巻の中に隠れていたり、暗闇に潜んでいたりしていたプルートゥの全貌が明らかになります。また、ボラーが一瞬その巨大な姿を垣間見せます。
そして何十億という人格をシミュレートしながら眠り続けるアトムにゲジヒトの意識が、そしてエプシロンの意識が降り注ぎ、ついに本巻の最後で覚醒します。
アトムとプルートの最後の対決、そして最後まで残されたボラーの謎の二点を中心に次巻は展開し終焉を迎えます。ちなみにウランがピノキオを作ったゼペット爺さんも操り人形であると、興味深い手がかりを呟いていました。
豪華版の別冊付録「PLUTO設定画集」では、浦沢直樹と長崎尚志が対談していますが、拍子をめくるといきなり
「早く終わらせたくてしょうがないんです」
の文字が(笑。そして対談中でこれがプレッシャーが少ない方であるはずの長崎氏の台詞であると知って二度ビックリ。手塚治虫作品に挑む事の大変さが良く分かりますね。でも
「ちゃんと終われそうなんですよ(笑。それがかなりのプレッシャーだったんですけど多分きれいに終われるかなと。」
と言うことですので、浦沢版「鉄腕アトム」は二十世紀少年のような腰砕けはなく、彼の代表作の一つになるでしょう。楽しみです。