ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Ashram / Ashram

Ashram_2
 以前「A Taste Of」で紹介したザビエル・レコードの店長一押しシリーズ、今回は幻の名作と言われる「Ashram」でした。2002年に発表された、アルバムタイトルと同名のネオ・クラシカル・ユニットAshramの実質上のファーストアルバムですが、今回未発表曲を加えたデジパック仕様での再発との事で早速購入してみました。

01. Fairy Wind (vo,p,vn,cello)
02. For My Sun (vo,p,vn)
03. Forever at your Mercy (vo,p,d-bass)
04. Fourth (unreleased) (p,vn)
05. Spirit of the Rising Moon (vo,p,vn,cello)
06. Lucky´s Song (vo,p)
07. Nevermore Sorrow (vo,p,vn,cello)
08. Horizons (p)
09. Forgive Me (vo,p,vn,cello)
10. She's Fiddling (vo,vn,cello)
11. Fragile (p,vn)
12. Elisewin (vo,p,cello,d-bass)
13. Oceans (vo)
14. I've Lost Myself (vo,p)
15. Sweet Autumn (vo,p,vn,cello)
16. Silver Eyes (vo,vn,cello)

Sergio Panarella - voice
Luigi Rubino - piano
Edo Notarlorerti - violin

Leonardo Massa - cello
Fulvio Gombos - double-bass

『クリスタルのように繊細で澄んだユニセクシャル・ヴォイスが悲哀に満ちたメロディを切々と歌い上げ、抜群の演奏技術と表現力を持つヴァイオリン、ノーブルでリリカルなピアノが、欧州の秋を彷彿とさせるような美しいサウンドタペストリーを紡ぎ出し、日本人の美的感覚を揺さぶります。まさに「地球に生まれて良かったぁ~~!」と感激させられる超極美傑作です。美しい物が好きな方全ての人へ大推薦。ラストのシークレットトラック(暗黒面)の聞き逃しに注意!(ザビエルレコードHPより)』

 Ashramとはヒンドゥー教の修行者(或いは修行所)と言う意味ですが、メンバーは全てイタリア人でナポリで結成されています。Yogaの瞑想用音楽かと言われたらまあ確かにそんな気がしないでも無いですが、それよりはやはりEuropean Gothicの範疇に入る音楽だろうと思います。

 それにしても店長の煽りが決して誇張では無いと感じるほど美しい音です。テノール(+カウンターテノール)、ピアノ、弦のみで綾なす静謐でやや暗めのゴシック・サウンドネオアコの究極とでも言うべき世界を形成しています。さすがクラシックの王国イタリアの産んだユニットだけの事はありますね。それに一曲一曲構成を絶妙に変えていますので聴き飽きません。曲名の後に構成を書いておきましたので、公式HPあるいはザビエルのHPでの試聴の参考にしてください。

 それにしても驚きはボーカルのSergio Panarellaです。おそらくクラシックの素養があるのではないかと思いますが、そんじょそこらのロック/ポップ・ボーカルとはレベルが違いますね。まあシャウトはしないので比較しても始まらないんですが。幸い全て英語で歌っており、耽美的な詩の世界も堪能できます。
 カウンターテノールも見事で一曲目の「Fairy Wind」など

アニー・レノックスの新譜です」

と紹介されたら本当に信じてしまいそうです。
 そうそう、店長のコメントにもありますが16曲目の10分くらいからDark SideのAshramが聴けます、お聴き逃し無く。

 というわけで、Coulour Caneがエレクトロニクスを駆使しての美の世界なら、こちらはネオアコの極致です。これからもザビエルレコード店長の一押しからは目を離せませんね。