ギタリスト、ジョン・アバクロンビーの1989年の作品のリイシューですが、先日まことさんが紹介しておられて興味をひかれたので買ってみました。
1. Right Now
2. Single Moon
3. Agitato
4. First Light
5. Last Light
6. For Hope Of Hope
7. Bright Reign
8. Ollie Mention
John Abercrombie (g, g-synth)
Jon Christensen (ds, perc)
Vince Mendoza (composer and synth)
先ずは何と言ってもジャケットが良いですね(笑。ECMの美意識を感じさせる素晴らしい意匠だと思います。にもかかわらず、このリイシューは作りが安っぽくてディスクが取り出しにくい。ECMもキースに金をかけすぎなんじゃないでしょうか(苦笑。
ジョンはECM系のギタリストの代表的な人で、内省的で静かなサウンドが特徴的ではありますが、もちろん早弾のフレーズも結構聴かせる人です。最近の作品ではチャールズ・ロイドの「The Water Is Wide」でのサポートがとても印象に残っています。写真を見て、こんなおっさんだったのかとも思いましたが(^_^;)。
さてこのアルバムではヴィンス・メンドーサが大半の作曲とシンセを担当しており、その柔らかいサウンドウォールの前でジョンとヤンの二人が演奏していると言う印象を受けます。ジョンのギターシンセの音がパット・メセニーの「Watercolors」の頃の音に似てるのがちょっと気になりますが、淡色系の水彩画を見ているような美しい曲が並んでいます。ジョンとヤンのインタープレイがややハードな1、ECM的美意識が溢れ出ている7から8への流れなどが特に聴きどころだと思いますね。
もちろんじっくり聞き込めば利き所はここかしこにありますが、そうでなくともナイトキャップ代わりやドライブのBGMにもお勧めの一枚です。