コアなロック・ファンやオーディオファイルには見向きもされないようなアルバムですが、まあたまにはこんなのもいいんじゃないでしょうか(笑。Mr.Bigと言えばビリー・シーンですな(違。もとへ、ボーカルのエリック・マーチンですが、大の日本贔屓の彼が子育て休暇明けに日本のカバーブームに乗っかって一稼ぎを目論んだ、え?違うって、失礼しました、日本のエリックファンに捧げたアルバムだそうです。
日本の女性ボーカルのヒット曲のカバー集で、タイトルは臆面も無く堂々と「Mr.Vocalist」、ライナーによるとさすがのエリックもそのタイトルは恥ずかしい、と言ってたみたいです(苦笑。
1. PRIDE
2. ハナミズキ
3. あなたのキスを数えましょう ~You were mine~
4. Everything
5. Precious
6. Time Goes By
7. M
8. I Believe
9. 雪の華
10. The Voice ~“Jupiter” English Version~
11. LOVE LOVE LOVE -ENGLISH VERSION-
『 女性VOCALISTのヒット曲を男性VOCALISTが歌うカバーが話題の昨今、カバー・ブームにとどめを刺す決定版!
全米ナンバー1ヒット"TO BE WITH YOU"で知られる90年代を代表するバンド、MR. BIGのVOCALIST"エリック・マーティン"による邦楽女性バラードの英語カバー集。
オリジナルシングルの総売上げは、1,100万枚以上!MR.BIGが活動した89年から解散の2002年、そしてTMG(Tak Matsumoto Group)参加の2004年までの期間に日本でヒットした女性アーティストが歌ったバラード・ヒットを中心に選曲。
エリックが音楽活動再開の最初に日本のファンへ贈り物をしたいという気持ちから、活動時期にファンがきいていて曲をカバーし、不在の間のヒット曲もカバーすることでファンのの時間を共有したい、という気持ちから最近のヒット曲までカバー!
30代の女性を中心としたターゲットでMR.BIGのファンからグレー、ホワイトまで広く狙います。(AMAZON解説より)』
もともとロック・ボーカリストとしては例外的に教科書的な綺麗な聞き取り易い英語で歌う人ですが、今回も日本人向けにか、単語一つ一つをかみしめるように丁寧に丁寧に歌いこんでいて、その点はとても好感が持てます。
となると問題は編曲ですが、、、一曲目の今井美樹の「プライド」を聴いてこりゃあかん(-_-;)と思いました。完全に英語の歌謡曲。ところが、プライドよりもっと演歌的な曲である一青窈の「ハナミズキ」、おやっ、意外にロックボーカルになってるじゃありませんか!?こりゃイケるかも、と順々に聴いていきますと、見事にダメ曲とイケル曲の繰り返し。本当にスリリング、シャッフルでかけたらまさにロシアン・ルーレットです(爆。
まあ、冗談はともかく、これは大丈夫だろうと思ってその通りだったのがMisiaの「Everything」、これはなんぼなんでもダメだろうと思ったのに意外なほど良かったのがELTの「Time Goes By」でした。
興味があったのは「雪の華」で、中島美嘉本人も苦しげに声が裏返るハイトーン部をどう処理するんだろうと思ってましたが、ごく普通にキーを落としてました(^_^;)。
また、「Love Love Love」は若い方にはジャパングリッシュと正統派アメリカン・イングリッシュの違いが良く分かって英語の勉強になると思います。
最後に、これは無いんじゃないの、と思ったのは「Jupiter」。何しろホルストの「木星」ですから、わざわざ日本語をつけたバージョンを英訳しなくてもねえ。このブログの常連さんならご存知の方も多いと思いますが、木星の第二楽章にはもともと1920年代に母国英国で
「I Vow To Thee, My Country」(Cecil Spring-Rice)
という詞があてがわれて歌われていましたもんねえ。
さて、その英訳ですが、一曲一曲英訳者の名前が違いますのでそのセンスを感じ取ってみるのも一興でしょう。その英訳の日本語訳をご丁寧にライナーノートのあとに記載してあるのには笑いましたが。そりゃ著作権の関係もあるんだろうけど、じゃあ英詞だけで十分じゃん!
というわけで、流し聴き、ドライブミュージックには意外に耳障りにもならず楽しめます。何かのついでにレンタルで借りてiPodに入れておくというのが王道でしょう(笑。ところでAmazonの解説の「30代の女性を中心としたターゲットでMR.BIGのファンからグレー、ホワイトまで」のグレー、ホワイトって一体どういうターゲットなんでしょう?
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