ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ラグビー大学選手権の感想

Wasedavictory09012
(上段:試合終了直後の両チームの明暗、下段:TVカメラにVサインを送る早稲田豊田主将)
 第45回全国大学ラグビーフットボール選手権決勝が1月10日に行われ、早稲田大学が15回目の優勝を達成しました。おめでとうございます。

早稲田大学 20 - 10 帝京大学

 準決勝2試合を含めた3試合は全て純国産スピード型チーム(早稲田法政)対外人補強パワー群団(帝京東海)の戦いとなりました。準決勝は一方的展開、決勝もあまり波乱の無い展開で、正直言って今回のTV観戦はあまり面白くなかったです(笑。ELV(暫定的新ルール)は攻撃が面白くなると施行前は言われていましたが、大学もトップリーグも見た感じではやたらハイパント等のキック合戦が増えただけのような印象ですね。日本選手権が終わった頃にラグマガ等で統計分析がされると思いますので、それを待つ事にしましょう。

 さて、早稲田は今回対抗戦Gで帝京、明治に敗れて長い間対抗戦グループで続けてきた連勝が途切れ、相当の危機感を持って選手権に臨んできました。2試合を見た印象で言うと結局彼等が修正してきたのは

接点への集散で相手に負けないこと
ラインディフェンスをきっちりと行うこと
反則を繰り返さないこと
スクラムで組み負けないこと

といった基本的プレーの修正とディフェンスの強化だったように思います。その上で満員の国立競技場での場慣れといった強みが加味され安定した試合が出来たのでしょう。その辺はさすが早稲田、としか言い様がないですね。

 さて今日の試合、早稲田はファーストスクラムで帝京に組み負けなかったことで落ち着きました。これが押されていたら展開は随分変わっていたかもしれません。

 もう一つのポイントは反則でした。早稲田がシンビン一人、帝京がシンビン二人と反則の繰り返しに厳しい主審で、特にゲート・オフサイド(ラックへのサイドからの参加)に厳しかったですが、それにいち早く対応して反則を減らした早稲田と、気負いが勝ちすぎて何度も同じ反則を繰り返す帝京の差が如実に出てしまったと思います。特に外人はこういう時に興奮しやすい短所があり、ツイがシンビンで退場してしまったのが痛恨でした。

 結果論になるかもしれませんが、帝京は「今日は勝てる」と言う手ごたえがありすぎてそれが気負いになり無用な反則を繰り返し墓穴を掘ったと思います。むしろ去年のような無欲のひたむきな試合の方が早稲田をたじろがせていましたから、メンタルが如何に大事な要素か私も良く分かりました。

 選手では準決勝で動きの良かった両方のNo.8、早稲田の豊田主将と帝京の野口君の動きに注目していましたが、やんちゃ坊主のイメージが戻った豊田君が2トライをあげて意地を見せつけました。野口君も再三スクラムからのサイド攻撃を仕掛けましたが、早稲田には思うように通用しませんでした。良い選手だと思うのでこの口惜しさをバネにさらなる飛躍を期待したいですね。他には早稲田の副主将CTBの長尾君と帝京の一年生CTB南橋君が印象に残りました。

 それにしても優勝インタビューの豊田君、本当にやんちゃ坊主の印象どおりですね、「やばいっす」の連発には、普段言葉使いには厳しい批判を繰り返す私も笑わざるを得ませんでした(笑。

 さて次の目標は両チームとも日本選手権ですね。ゆっくり休んでからまた、トップリーグに通用するチームを作り上げてください。