ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

神鋼対三洋電機観戦記

Steelerswildknights081221
 昨日今季初めてのラグビートップリーグ観戦に出かけてきました。我が神戸製鋼スティーラーズにとって天王山となる一戦、全勝街道を突っ走る唯一のチーム、三洋電機ワイルドナイツとの対戦でした。最後10分で地力の差が出て完敗しましたが、去年よりはTL上位に食い込めるだけの力がついて来たかな、という印象でした。

神戸製鋼 35 - 52 三洋電機
 前半   12 - 21
 後半   23 -    31
Man Of The Match:  ダニエル・ヒーナン(LO)

 前半は開始早々にノーホイッスルトライを取られ出鼻をくじかれました。その後は両者ともキックを主体としたゲームメークで拮抗し、この日当たりまくっていた山本大介が3PGを悉く決めて追いすがりますが、勿体無いことにロスタイムに榎本にスコーンと抜かれてトライを許してしまいました。この最初と最後のトライが勿体無かったですが、結局ハンドリングミス等の基本的なスキルの差が出た訳で、ここが全勝の三洋との差なのかなと思いました。

 後半は開始早々ディフェンスを立て直して先に2トライを奪い一旦は逆転しました。これには驚きましたが、三洋は積極的な選手交代を次々と行い、じわじわと神鋼を追い詰め、24分にシオネ・バツベイ、32分にダニエル・ヒーナンが力技でトライをあげて逆転し、そのままリードを広げて終了、終わってみれば完敗でした。

 神鋼は後半20分まで期待を持たせてくれただけ地力はついてるのかなと思いましたが、逆に言うと最後10分持ち堪えられないところに優勝候補筆頭のチームとの差をありありと感じました。基礎体力の向上を今年は図ってきたということですが、その上に一つ一つのプレーの精度を上げていくのが今後の課題でしょう。

 残念だったのが今年の好成績を支えてきた南ア出身のデルポートが出場しなかったこと。リザーブにも入ってなかったので怪我か故障だろうと思いますが、どんなプレーをするのか楽しみにしていたので残念でした。

 三洋スクラムラインアウト等のセットプレー、接点への集散の速さ、個々の選手の体力等、全てに神鋼に勝ってはいたものの、正直言ってあまり感心した試合ではなかったというか、思ったより弱いな、という印象でした。
 結果だけ見てトニー・ブラウン抜きでも強いんだなと単純に思っていたのですが、やはり彼がいるいないの差はとても大きいです。やはりラグビーは現場で見ないと分からないものですね。
 ゲームメークに明確な意思が感じられず、何となく相手に合わせてしまってる時間帯が多く、そのうち誰かが抜いてトライするだろうという感じで戦ってる気がしました。トニーがいたらみんな怒られまくってたんじゃないでしょうか。

 更に問題なのはプレーが全般にラフなところで、決して褒められた戦い方ではありませんでした。一時神鋼に逆転されたのも、反則から7つもPGも決められたのが主因でしょう。主審の平林さんにもしょっちゅう注意されてましたし、シンビンが出なかったのが不思議なくらいです。特に8番は日本代表の選手なんだからもう少しラフプレーは謹んで欲しいですね。

 さて神鋼はあと3試合、サントリーヤマハという地力のあるチームとの対戦を残しており、4位以内がかなり苦しくなってきましたが、今日の中盤のようなきちっとしたプレーをすれば活路は開けるように思います。なんとか前半開始直後のエンジンのかかりの遅さを修正して勝ち残ってほしいものです。
 三洋電機は名前は残るようですがパナソニックに吸収されてしまうことが決まっており、名門として恥ずかしくない横綱相撲で優勝して花道を飾ってほしいです。そのためにもやはりトニー・ブラウンの復帰が待たれますね。