ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Elephants...Teeth Sinking Into Heart / Rachael Yamagata

Elephants...Teeth Sinking Into Heart
 ついにRachael Yamagata待望の新譜が、出た~~(^O^)!!!、と山本高広調で叫びたい衝動をずっと抑え続けておりましたが、やっと4年振りの新譜がアメリカから届きました。いや~嬉しいどす。もうヘビーローテーションと言うか、これしか聴いてないです(笑。

Rachaelyamagata
 AMAZONで予約しとけばもっと早かったかもしれないんですが、冒頭リンクのオフィシャルサイトで予約したら「自筆サイン入りリトグラフがついてくる」と言う宣伝にものの見事に釣られてしまいました。で、結構大きな小包だったので期待度最高潮で開けてみたら、写真右側の薄っぺらい紙一枚。。。
 まあサインはついてるけど、これがひょっとしてリ・ト・グ・ラ・フ?う~ん、寝込んでしまいそうだ(~_~;)。え?どうしたかって、もちろん額に入れてPCの前に飾ってありますよ(笑。ちなみに私がどうしてこれだけ彼女に入れ込むようになったかは、こちらをご覧下さい。

Disc 1
1. Elephants 
2. What If I Leave 
3. Little Life 
4. Sunday Afternoon 
5. Elephants [Instrumental] 
6. Duet 
7. Over and Over 
8. Brown Eyes 
9. Horizon
 ( including hidden track "The Only Faults" ) 

Disc 2 
1. Sidedish Friend 
2. Accident 
3. Faster 
4. Pause the Tragic Ending 
5. Don't

『The album is split into two parts/CDs: Elephants, which will feature a darker, more vulnerable and intimate tone, is said to be more familiar with Yamagata's debut, Happenstance; while Teeth Sinking Into Heart, shows a grittier, more cynical side of the artist, who has described it as "this mix of 'Pulp Fiction' surf guitar, PJ Harvey and Tom Waits-flavored rock tunes which would be great to play live but ... just developed into this entity that would break the beauty of ('Elephants')." The album will contain fifteen tracks (one of them hidden), the first ten appearing in Elephants.(Amazon, album details)』

 冒頭リンクのオフィシャルサイトでは随分前からレコーディング中と掲示されていたのですが、ワーナーへの移籍などで遅れていたものと思われます。そのような事情を抜きにしても、とにかく相当の時間をかけただけの事はある出来上がりになっています。

 上記解説にあるように「Happenstance」の延長線上にあるややダークなバラードが主体の「Elephants」と、よりハードなドライブ感を前面に押し出した「Teeth Sinking Into Heart」の2枚に分けると言う構成となっており、その理由として各々一枚のアルバムとしてのトータルな雰囲気を損なわないように配慮したようです。昔ロッド・スチュワートなんかがA面とB面でロックンロール/バラードを使い分けていたのを思い出しますね。ただ、近日発売予定の日本盤では一枚にまとめられるようです。セールス上の都合とは言えプロデューサー、アーチストの意思を無視するのはいかがなものでしょうね。

 さてそのプロデュースですが、前作に引き続きJohn AlagiaもDisc-1の2、9を担当していますが、他の全ての曲は今回新たにMike Mogisという人物が担当しています。この人物についてはあまり知識がありませんが、ネブラスカのミュージック・シーンの中心人物だそうで、レイチェルも全面的な信頼を寄せています。謝辞に

for joining my world, letting me into yours and all your amazing work.

とありますので、ひょっとしてただならぬ関係になっているかも(笑。まあ冗談はともかく、選曲やアレンジ等、アルバムとしての完成度は前作に比べて格段の進歩を感じます。音質的にもその陰影の深さはオーディオファイルでも十分満足できるレベルに達していると思います。

 もちろんレイチェルも作曲、歌唱力ともに確実な成長を見せています。彼女の持ち味はある時は呟くように、ある時は振り絞るように歌う強靭な声にあると思いますが、4年の歳月を経て、より深みと説得力を増して来たようです。
 また共作の一曲を含めて全曲彼女の作品ですが、一曲一曲の作品としての完成度は前作より高いと思います。ただ、それだけに身を切るような痛切な歌詞が多くなっており、キャッチーなシングルヒットを狙う曲があまり見当たらないのが痛し痒しと言うところでしょうか。
 おそらくタイトル曲の「Elephants」で勝負をかけるのではと推測しますが、個人的には渋いボーカルを聴かせるRay Lamontagneとのデュエットで文字通り「Duet」と言う曲や、ちょっとFleetwood Macの名作を思い出す「Over and Over」なんかはシングルカットしても良いんじゃないかと思います。まあ、アメリカではDisc 2の乗りの良い曲の方がヒット性があるのかもしれませんが。

 いずれにしても前作や日本のライブで彼女にノックアウトされたファンには待ちに待ったアルバムで、もちろん絶対に買いでしょう。そう言えばその時のライブで新曲として歌われていた「Sunday Afternoon」が本作で初発表となり、やっと陽の目を見ましたね。実はその後もブートレグで何度も聴いていたので、新作というのがなにか不思議な気もします。なお、Disc1にはHidden Trackがあり、3分くらい待たされるので注意してください。

 もちろん全くご存じなかった方も、是非一度冒頭リンクを覗いてみてください。自動的に「Elephants」のPVが流れます。気に入る入らないが極端に分かれるアーチストだとは思いますが、一人でも彼女のファンが増える事を願って止みません。