PLUTO第6巻が発売になりました。人間とロボットが共生するようになった時代が舞台で、7名の世界最高水準のロボットのうち、天馬博士の傑作アトムを含めて5名が既に「PLUTO」という謎の最強ロボットに倒され、残るのはユーロポールの誇る特別捜査官ゲジヒトと、第39次中央アジア紛争を拒否しオーストラリアで戦災孤児を引き取って暮らしているエプシロンの2名だけとなってこの巻になだれ込みました。
この巻の主人公はゲジヒト。前巻でクラスター銃でゼロニウム合金の体が傷つきオーバーホールもままならないままにペルシアに飛びます。人間で言う「勘」により、アブラー博士と接触を持ち、彼に対する疑惑が確信となって行きます。その後小さな手がかりをつてにサハドと呼ばれる男を捜してアムステルダムに飛びますが、、、
以下黒字でマスクして書いておきますので、PLUTOの正体とゲジヒトの運命を知りたい方はネタバレ承知でマウスドラッグで読んでください。
ゲジヒトはついに
サハド=アブラー博士の息子=PLUTOの意識そのもの
であることを突き止め、PLUTOを絶体絶命の窮地にまで追い込みますが戦意を無くしたロボット(=チューリップを愛する優しい男だったサハド)の止めを刺すことをためらいます。そしてアブラー博士との取引に応じて彼の手に落ちたホフマン博士の解放を条件に、上層部の命令に背いて攻撃を中止しました。
そして休暇を申請した彼をアムステルダムの路上で待ち受けていたのはペルシアで出会った傷痍花売りロボットが放ったクラスター砲だったのです。
いやあ、泣けます、感動します。ロボットの物語、そして「鉄腕アトムー地上最大のロボット」のリメイクだと分かっていても、彼の最期には涙が止まりませんでした。彼の妻もロボットなのですが、彼とともに休暇を過ごすはずだった日本で待っていた天馬博士に
「泣いてごらん。」
「そんな時、人間は泣くんだ。」
「最初は真似事でもいい。」
と教えられて号泣します。素晴らしいシーンです、さすが浦沢直樹!
さて残るはエプシロン一体、そして天馬博士が受け取ったデータは一体何か、アトム復活へのシナリオが徐々に明らかになっていく気配で、今後も見逃せません。連載ではもうかなりのところまで行ってるのですがまあそれは言わない事にして次巻を楽しみに待ちましょう。