ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

The Police Reunion Tour 2007/08@大阪

Policetshirt
(Tシャツより合成)
 70年代後半から80年代前半のミュージックシーンを席巻したポリスの再結成ツアーがいよいよ日本上陸、大阪公演に行ってまいりました。いやあ、立ちっぱなしはおじさんには辛かったけど、向こうも3人のおじさんが出ずっぱりで頑張ってまして、本当に素晴らしいステージでした。

Date: Feb.10th, 2008 19:30-
Place: Kyocera-Dome Osaka, Japan

FICTIONPLANE 18:30-19:10

Police are;
Sting (vo, el.b)
Andy Summers (g)
Stewart Copeland (ds)

Setlist:
1: Message in a Bottle
2: Synchronicity II
3: Walking on the Moon
4: Voices Inside My Head~
 When the World Is Running Down, You Make the Best of What's Still Around
5: Don't Stand So Close to Me
6: Driven to Tears
7: Hole In My Life
8: Every Little Thing She Does Is Magic
9: Wrapped Around Your Finger
10: De Do Do Do, De Da Da Da
11: Invisible Sun*
12: Walking In Your Footsteps*
13: Can't Stand Losing You ~including Regatta de Blanc
14: Roxanne
EC-1
15: King of Pain
16: So Lonely
17: Every Breath You Take
EC-2
18: Next to You

(* 注: ほぼ間違いないと思いますが、11,12はちょっと自信が無いです)

 グッズを買って食事を済ませて会場に入るともうスティングの息子ジョー・サムナーのバンド「FICTIONPLANE」の演奏が始まってました。確かにスティングの面影がありますがスティングよりイケメンでスタイルも良い(笑。Vo+elb担当であとがギター、ドラムスと言う構成も微笑ましい。日本語でMCするわ、年取った親父の替わりにPAの上からピョンピョン飛ぶわでなかなかサービス精神旺盛でした。

 さて、その後しばらく休憩の間ポリスがサポートしているWaterAidの映像が流され、定刻近くに会場が少し暗転するとボブ・マーリー&ウェイラーズの「Get Up, Stand Up」が流れ、アリーナ席は殆どが立ち上がります。そして完全に暗転してステージがライティングで照らし出されると、まずアンディスチュが現れ会場は大喝采、そして舞台右手奥からベースを抱えたスティングが現れるともうアリーナ席は総立ちとなり、メッセージ・イン・ザ・ボトルのイントロが流れると興奮はいきなりクライマックスに。それから2時間弱、3人だけでハイテンションの演奏を繰り広げました。

 スティングは解散後もマスコミへの露出機会が多く見慣れているので年齢による変化をあまり感じませんでした。精悍な肉体を濃紺のTシャツとジーパン、黒のブーツに包んでおり本当にかっこよかったです(嘆息。また少し生え際前線が後退して短く刈り込んだ髪の毛はライトに照らし出されて,まるで

「黄金色に燃える大麦畑 (= Fields Of Gold) 」

のようでした(笑。

 フェンダーのプレシジョンベースは使い込んでもうボロボロ(それともそういうモデルか?)でした。個人的にはボーカルをとりながらどれくらい弾いているんだろうと注目しておりましたが、息子の方が基本に忠実でしたね(笑、やっぱり楽譜よりは大分抜いてます。そして基本的には3,4弦はサムピッキングでした。
 例えば1の間奏部のタンタンタ~ンタタ~ンタタ~ンという独特のリズムも結構良い加減(笑、その場の感覚でアドリブでやってる感じでした。また、私が一昨年の職場の演奏会でコピーした16の「Every Breath You Take」はオリジナルでは延々八分のスタッカートが続くのですが、基本二分(^_^;)で弾いてました。ちょっとがっかり、私もあれならボーカル歌えそう(爆。とは言え、随所に腹にこたえるリフを聞かせてくれました。そして何よりコクのあるボーカルが健在でした。

 アンディ・サマーズはすっかりおじさん顔&体型になってました。横縞のシャツに黒の襟無しのスーツにワインレッドのフェンダーが似合ってました。もちろん途中でアンディ・モデルのテレキャスも弾いてました。
 もともとジャズの素養もあり、プログレバンドでも弾いていた人ですが、切れのあるカッティングリフ、深みと透明感のある和音など往年のポリスサウンドは健在。自分がポリスサウンドの一つの到達点だと思っている2の「Synchronicity II」なんかはかなり長いソロを取ってもう完全にプログレしてましたね(笑。また、演奏会の練習でHoteiさんが苦しんでいた「Every Breath You Take」の九度のアルペジオも人差し指と小指で余裕で届いてました。三人の中では一番小柄なんですが、やっぱり向こうの人は指が長いんですね。

 一方で結構コミカルな面も見せてくれました。16が終わって他の二人が引っ込んでもう終わりかと思いきや、彼だけ引っ込むのを渋ってパントマイムでコミカルな表情を見せつつ、他の二人をまたステージ上に呼び込んで来ました。そしてあきれるスティングを前に轟音のイントロを奏で始めて「Next To You」が始まると言う趣向。3人の個性が激しくぶつかり合って僅か5枚のアルバムで解散してしまった彼らですが、今回は楽しんでいるようで何よりでした。

 さて、すっかり白髪になってセミリタイアしていたスチュワート・コープランドですが、黒のスポーツウェアに身を包んだ身体はかなり絞っているものと見えスティング以上に精悍でした。また滑らないように手袋をしていたのも印象的。手数の多い独特のシンバルワークが健在なのも嬉しかったですが、チャイナシンバルやアフリカ系のパーカッション等を駆使した演奏を見せてくれたのも嬉しかったですね。

 もちろんアレンジもツアー用に様々に趣向を凝らしていました。「見つめていたい」をはじめキーも変ってましたし、アウトランドス・ダムールからの曲なんて初期のレゲエのイメージが殆ど影を潜めてました。「Roxanne」なんて,最初のアンディのギターリフはそのまんまでしたけど、その後本チャン最終曲にふさわしくオリジナルとはかけ離れた劇的展開になっていきました。
 もちろんお遊びも色々とありました。スティングのボーカルって「ヨーヨー」とか「ドゥダーダー」とか一緒に歌えるフレーズが多いですから、多くの曲で会場に歌わせてましたし、12の中に白いレガッタのリフを挟んだり面白い趣向も凝らしてました。「Every Breath You Take」の途中で一瞬「Money For Nothing」のシャウトが出てきたように思ったのは私だけでしょうか(^_^;)?

 と言うわけで捨て曲無しの2時間弱でしたが、個人的には「Wrapped Around Your Finger」が一番良かったです。スティングのコクのあるボーカルと、スチュのパーカッションが素晴らしいハーモニーを醸し出していました。

 あと一つ特筆すべきはモニター画像の鮮明さ。もう、オペラグラス全く無用です。あれはデジタルハイビジョンかなあ。そうそう、東京の最終公演で100回を数えるそうですよ、盛り上がりそうですね。関東の方、楽しんでください(^O^)/