ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Detours / Sheryl Crow

Detours
 3年ぶりにシェリル・クロウの新譜が出ました。タイトルは「DETOURS」です。彼女は2005年に「Wildflower」を出したときのインタビューで

「アーチスティックな作品とポップな作品の2作を年内に出す予定」

と語っていました。前者がWildflowerだったのですが、後者は発表されませんでした。当時の恋人ランス・アームストロングとの破局や自身の乳癌の手術等が重なったためと思われます。私生活でのそのような辛い経験を経て「回り道」の末にやっと産まれたというところでしょうか。

1. God Bless This Mess
2. Shine Over Babylon
3. Love is Free
4. Peace Be Upon Us
5. Gasoline
6. Out Of Our Heads
7. Detours
8. Now That You're Gone
9. Drunk With The Thought Of You
10. Diamond Ring
11. Motivation
12. Make It Go Away (Radiation Song)
13. Love Is All There Is
14. Lullaby For Wyatt

 プロデューサーにデビュー作の「Tuesday Night Music Club」で彼女をブレークさせたBill Bottrellを起用したのも「回り道」をして原点に戻ったということでしょうか、初期の元気な姐さんに戻って溌剌とした歌声を聞かせています。
 ラジオから聞こえてくるような音にミキシングした弾き語りがノスタルジーを感じさせる1から始まって、シングル・ヒットが狙えるキャッチーな曲を序盤に連ね、じっくり聴かせる13をラス前に置いてしっとりとしたララバイで締めくくる終わり方まで構成もなかなか見事です。まあアナログの構成に慣れた私には14曲はちょっと長いですけど。
 ちなみに14のワイアットとは養子に迎えた息子さんの名前だそうで、ライナーノートには「このアルバムをWyatt Stevenに捧げる」とクレジットされています。

 彼女はエコ運動や政治的発言でも有名ですが、本アルバムでも2や5などで環境問題、資源問題に言及しています。どこまで真剣なのか良く分からんという批判もありますが、5なんかは結構ユニークな歌詞ですので歌としては面白いです。機会があれば試聴してみてください。また、4ではサンスクリット語?にも挑戦してます。どうもアメリカ人はこの手の思想に弱いようですね(^_^;)。

 まあ、何はともあれ元気なようで何より。目標とするクリッシー・ハインド姐さんに負けないようこれからも頑張って欲しいです。