ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

HEIMA / Sigur Ros

HEIMA~故郷
はむちぃ: 今回のDVDレビューはいつもと趣向を変えまして、今やアイスランドを代表するバンドとなりましたシガー・ロスのフリー・ツアーのドキュメンタリー「HEIMA~故郷」でございます。世界一美しい音楽を奏でるといわれておりますこのバンドですが、なんと映像化は初めてとの事で、世界中の音楽ファンから注目を集めているDVDでございます。

『孤高のロックバンド、シガー・ロスが約2年の沈黙を破り、アイスランドで行ったフリーツアーの模様を長編アニメ「リロ&スティッチ」のディーン・デュボアの監督で製作したドキュメンタリー。フリーツアーの模様を2週間に亘り撮影したライヴ映画作品に加え、ライヴ映像も収録された2枚組。(AMAZON解説より)』

ゆうけい: 記事としては一応プログレにカテゴライズしておりますが、
は: 一般的には「ポストロック」と呼ばれておりますね。
ゆ: JPもショバ代を行政から請求されて困っているようですな。
は: ご主人様、それは郵便ポストでございます(-.-)。
ゆ: ヒロシです、、、かな?
は: それはホストでございます、分かりやすいボケをかましているところを見るとポストロックとは何ぞやが、いまいち理解できていないのではございませんか(;一_一)。

ゆ: ポストロックね~(-"-)、ロックのようでロックで無い、あ~ベンベン ♪
は: アンビエントの様でアンビエントで無い、ああ~ベンベン (^^♪
ゆ: ネオアコの様でネオアコで無い、はあ~ベンベン (- - ♪
は: トランスの様でトランスで無い、ほあ~ベンベン(@_@ ♪、それは何かとた・ず・ね・た・ら?
ゆ: あっポストロックポストロックポストロック~ベンベン、は~しんど。
は: しんどいわりに今ひとつ面白くも無ければ解説にもなっておりません(--〆)。

ゆ: 何せ「孤高」でございますから、説明のしようもないんですが、リーダーのヨンシーのハイトーンボイスで紡ぎ出す呪文のようなボーカルと、ボウイング奏法によるエレキギターの歪んだ音色が最大の特徴でございましょう。
は: ようやく本題に入ってまいりました、現在のシガー・ロスヨンシー様とベースのオルグ、ドラムのオリー、キーボードのキャータンの4人で構成されているのですが、更には女性の4人組弦楽奏団アミーナも加わることにより醸し出される、アコースティックな美しい響きももう一つの特徴でございましょう。ちなみにヨンシー様のボーカルはアイスランド語に加えて、ホープランド語という自ら考案した言語も操っているそうでございます。
ゆ: そりゃ理解できませんわな、「( )」という題名からして理解不能のアルバムなんかその最たるものでございましょう。なんせ曲にも名前ついてませんし。
は: さすがポストロックでございます。
ゆ: でも確かに演奏には鳥肌の立つような凄いものがあるんだよね、だから今回彼等の正体がDVDで明かされるということで、楽しみにしてたんです。

は: で、メンバーのインタビューや演奏シーンなどふんだんに出てまいりましたがいかがでございましたでしょう。
ゆ: 普通の若者なんですね~、これが。アイスランドというと常に奇矯な行動が注目されるビヨークのイメージが強いんだけど、くつろいでインタビューに答えているシガー・ロスの面々はみんなどこにでもいる若者ですね。ヨンシーなんかアンガールズみたいなひ弱ささえ感じるんですが、歌いはじめるとトランス状態に入るんですね(笑。そしてアイスランドで演奏している彼らの姿を見ると、あの不思議ちゃん系音楽がこの地に根付いた音のように思えてくるんですから、やっぱり不思議な国ですね。

は: 確かに荒涼としたそれでいて崇高な美しさを感じるアイスランドの風景も、彼等の音楽と良くマッチしておりました。
ゆ: オーディオじゃないけど空気の透明感が他の国と違いますね。そこに住む人々の営みも、断片的ではありますがよく表現されていると思います。素晴らしい映像美はディズニーのアニメ作ってる監督とは思えませんね(^_^;)。
は: シガー・ロスの大ファンでツアーの撮影をさせてくれるよう切望され、OKを貰ったそうでございます。ちなみにシガー・ロスは世界各地をツアーで回られていましたが、アイスランド国内でのツアーは初めてだそうでございます。
ゆ: 金儲けとしての音楽活動に疲れ果てて帰ってきた自分達を温かく受け入れてくれたアイスランドに対する感謝の意味と原点を見つめなおす意味を込めてのフリー(無料)ツアーだったそうですね。
は: ですので、普通のコンサート会場のみならず、国立公園内や、ダム建設反対運動の現場、小さな市民ホール、二人しか住人のいない元漁村など、色々な変わった場所でのテイクが収録されていて興味深いものがございました。
ゆ: ただ、どうしてもそういう場所での収録はアコースティックな面が強調されがちで、ヨンシーのボウイング奏法を主体とするヘビーなサウンドがあまり見られないのは若干残念でもありました。

は: 最初の「グロウソウリ」と最後の「ポップライイ」くらいですか、はっきりとしたポストロックらしいナンバーというのは。
ゆ: 二曲とも彼等と観客の間にスクリーンを張って、シルエットで演奏を見せるという試みが斬新でしたね。特に最後のレイキャビクでの「ポップライイ」の演奏には痺れました。
は: さっき出てまいりました「( )」の8曲目( Untitled #8 )でございますが、今回は曲名がついておりました。ポップミュージックという意味らしいですが。
ゆ: どこがポップやねん!と突っ込みを入れたくなりますね。少なくともJTのCFで流れてるPop Musikとは似ても似つかぬ前衛的な音で、CDでも鳥肌の立つ思いがしましたが、映像を見ることができて嬉しかったです。
は: ボウイングで最初少しだけ歪んだ音を出した後は静かに美しく進行していくんですが、途中でドラムソロが始まった途端に堰を切ったようにディストーションの効いたエレキサウンドに変貌いたしますね。
ゆ: 加速度的にペースを速めてカオスへ突入していくと興奮はピークに達しますね。それがステージ前に下りてきたスクリーン上に、彼等のシルエットと激しいライティングの明滅により視覚化されていく様は圧巻の一言です。ロック・ファンなら、

ポップライイを観るためだけに大枚はたいても決して後悔しないだろう

と断言してしまいましょう。

は: という事で、シガー・ロスに興味のある方に最適の入門DVDでございます。
ゆ: 二枚組のCDや写真集なども同時に発売されております。ちなみに彼等の過去の日本製CDはCCCDですのでお気をつけ下さいませ(--〆)。