ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

大学ラグビー選手権を振り返る

 今季の第44回全国大学選手権大会は戦前の予想通り早稲田大学が優勝しました。中竹監督、権丈君をはじめとする選手、ファンの皆さんおめでとうございます。

決勝: 早稲田 26-6 慶應

準決勝: 慶應  34-27 明治

      早稲田 12-5  帝京

 2回戦までで関東リーグ戦グループと関西勢が全て姿を消してしまい、準決勝は対抗戦グループ4校の戦いとなってしまいました。関東学院大が不祥事で欠場したこともありますが、ひたすら対抗戦グループのレベルの高さを見せつけられる形となりました。

 決勝は小雨という悪条件、おまけに双方のスター五郎丸君と山田君が怪我で精彩を欠いていたということもあり、あまり素人受けするような見所の無い試合となってしまいました。それでも前半の慶應の出足の早いディフェンスと早稲田のスクラムラグビーファンには見応えがあったと思います。一匹の赤黒の大きなスズメバチに複数の黄黒の小さなミツバチが群がって抵抗している様は、決して判官贔屓ではなく感動的だったと思います。
 後半は予想通り、早稲田がじわりじわりと 引き離すのを慶應はもう止める術が無かったですね。慶應の林監督はミスが多すぎて落胆した旨の発言をされたようですが、あの天候、この相手でそれはあまりにも選手に酷ではないでしょうか。

 一方準決勝は2試合ともとても白熱した良い試合でしたね。特に早稲田に肉薄した帝京には驚きました。この試合、早稲田は五郎丸君、有田君が欠場した飛車銀落ちくらいのメンバーだったので、帝京もそこそこはやるだろうとは思ってましたがあそこまでとは。決勝の慶應をも凌ぐような、史上稀に見る防衛合戦だったと思います。特に早稲田の豊田君と帝京の堀江君のNo8の二人が頑張っていて印象に残りました。その他には帝京SHの猿渡君、WTBの鎌田君が印象に残りました。

 準決勝もう一試合は前半が慶應、後半が明治ペースでの点取り合戦となり見ごたえがありました。何と言っても慶應山田君が傑出していましたが、この試合で足を痛めたことが決勝に響いて残念でしたね。

 という事で、「予想通り勝つ」という本当の強さを見せ付けた早稲田が現在のところ攻守ともに他を圧倒していました。今後大学レベルで早稲田に勝とうと思ったら、慶應、帝京が垣間見せたように、ハイパントなどのキックで相手陣地に攻め込み、反則を誘ってPGを決めるしか活路は無いんじゃないかと思いますね。そしてトライは許しても出来るだけ中央に回りこませないこと。PG2本は1Tより一点点数が多く1T1Gより一点少ないですから。

 さて、毎年書いていますが大学、地域間格差が広がるばかりなので、これも日本ラグビー協会は早稲田人気におんぶに抱っこではなく真剣に考えて欲しいです。社会人のトップリーグのような思い切った改革をしないと大学ラグビーが関東のものだけになってしまいます。
 また当然ながら同志社関東学院大のような不祥事はもう起こして欲しくないですし、週刊文春に載っていた様な早稲田のスポーツ偏重傾向についても(他大学のやっかみも確かにあるとは思いますが)一考は要すると思います。この記事が本当なら「ラグビーと私」という卒論で卒業した学生がいるらしいですが、やはりこれは内容を見るまでもなくあまりにもひどいですね。

 まあ暗い話題で終わるのもなんですから、個人的今季表彰で終わりたいと思います。皆さんはいかがだったでしょうか。

MVP: 橋本 樹(早稲田PR/LO)
MIP: 豊田将万(早稲田No8)

敢闘賞: 山田章仁(慶應WTB)
            堀江翔太(帝京No8)
      森 功至(東海大FB)
           壇辻勇佑(大体大WTB)

新人賞: 山中亮平(早稲田SO)
復活賞: 宇薄岳央同志社WTB)