ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

全国高校大会決勝

 第87回全国高校ラグビー大会決勝が1月7日に行われ、東福岡高校が悲願の初優勝を遂げました。おめでとうございます。

東福岡(福岡) 12 - 7 伏見工(京都)
 ( 前半    12 - 0 )
 ( 後半     0 - 7 )

 小雨の天候、そしてともに組織力のしっかりしたチームという事でロースコアの試合、そして総合力では東福岡が有利、結果2~3トライ対1トライ位の試合になるんじゃないかなと思っていました。

 結果的には東福岡が2トライ、伏見工が1トライと見事予想通りでしたが、試合内容は予想とは正反対でした。ずっと東福岡が攻め続けて伏見が炎のタックルで守り続ける、という予想をしていたのですが、見事なまでに逆でしたね。東福岡リードで終わった前半でさえ、ボール支配率は伏見が上回っており、後半は東福岡は防戦一方でした。しかしその防御は本当に見ごたえがありました。ディフェンス勝負と判断し敢えて防御戦を挑んだ、という印象さえありました。
 特にラスト10分は感動的なディフェンスを見せてくれました。あれだけずっと波状攻撃で攻められ続けて、全員が最後まで足が止まらないで超高校級のアタックを止めまくるのは凄いなあと思いました。

「ここが、楽しみどころだ。楽しもう!」

と味方を鼓舞したというキャプテンNo.8山下君にはもう脱帽です。

 勿論伏見工のアタック・ディフェンスも素晴らしかったです。今大会で東福岡に思うような試合をさせなかった初めてのチームだったのではないでしょうか。特にキャプテン井口君のゲインライン突破、そしてすばやく元へ戻って献身的なディフェンス、よくあれだけやって足が攣らないもんだと感心しました。

 という事でどちらが勝っても不思議の無い試合だったと思いますが、何度も準決勝で破れながら辛抱強くディフェンスを鍛え続け素晴らしいチームを作ってきた谷崎監督、そして志半ばにして電車事故で他界した広木君のことを思い、勝負の女神も今回ばかりは東福岡にちょっぴり味方したんでしょうね。前半、正面至近距離からのPGを伏見の井口君が外し、東福岡の正海君がギャンブルでキックしたボールがエンドゾーンぎりぎりではねかえって残ったところを押さえ込んだ時にそう思いました。

 レフェリングの問題、伝統高名の消失、地域格差の問題など、高校ラグビーにも諸問題はあると思いますが、個人的にはノーサイドの精神がある限り高校ラグビーの灯が消えることはないと信じています。これからも我々ラグビーファンは彼等を温かく見守って行きましょう。