ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Retrospective / Rebecca Pidgeon

Retrospective 
 勧めてるのか進めてないのか分からん様なレビューをするな、という声も聞こえてくる今日この頃、皆さんお元気でしょうか。ということで安心してお勧めできるハイブリッド盤女性ボーカルのレビューに再挑戦してみませう。

 アジアのオーディオファイルのリファレンスが藤田恵美なら、米在住のjazzaudiofanさんも必聴盤にあげておられるように、アメリカのオーディオファイルのリファレンスと言えばレベッカ・ピジョンですね。

 まあ日本でもオーディオファイルの方なら、ショウや試聴会、店頭デモなどで一度は聴いたことがあると思いますが、我が家でもコンスタントに聴き続けております。今回紹介するのは2005年発売の「Retrospective」、この単語は私共の業界用語ですが(笑、過去を振り返る、すなわちベスト盤です。

1. Spanish Harlem
2. Underground
3. Texas Rangers
4. 24 Hours of Love
5. Fhear a Bhata
6. Seven Hours
7. Primitive Man
8. Kalerka
9. Four Marys
10. Grandmother
11. MacDougall's Men
12. Hey How My Johnnie Lad
13. Auld Lang Syne/Bring It on Home to Me

 オーディオファイルにはおなじみのチェスキーレコードから出された3枚のアルバムから選曲され、SACD化されたハイブリッド盤です。1と13がよく試聴会に用いられていますね。特に13はスコットランド民謡「蛍の光」とサム・クックの名曲が見事に融合しているため、試聴会のお開きの曲として聴かれた方も多いのではないでしょうか。

 と言うわけで、彼女はスコティッシュ・トラッドをルーツに持つ歌手で、スコットランドフォークロア色が濃厚な1st、3rdとポップ色の強い2ndがほど良くブレンドされており、本当に楽しめるアルバムです。

 彼女の優しくて透明感のある声は本当に聴き飽きませんね。試聴会等で何度聴いても新鮮に思えるのは私だけでしょうか。ちなみに彼女は昔ルビー・ブルーという英国トラッド系のバンドに所属していたんですが、ちょっとオール・アバウト・イブに通じるところのあるサウンドだったようです。でもジュリアンとは大分違う素直な声質、オーソドックスな歌唱力を持っています。これ以上書くとゴス系を語らせれば右に出るもののない某氏に突っ込まれそうなのでやめときます(笑。

 さてチェスキーはもともと高音質で有名ですが、SACDになって更に良くなった感じがします。「Spanish Harlem」の冒頭のベース、「Auld Lang Syne」の冒頭の詩の朗読などゾクッと来ますね。もちろん制作を主導しているのはチェスキー兄弟、そしてマスタリング・エンジニアは、こちらもお馴染みのニック・プラウトです。

 もう試聴会でレベッカは聴き飽きたよ、という試聴会通のあなたも、お持ちでなければやっぱり持っておくべきだと思いますよ~(^。^)、もちろん英国トラッド好き、ネオアコ好きのあなたもどうぞ~(^^♪。