ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

自宅オフ:moukutsuさん来訪

GRPオールスター・ビッグ・バンド・プレイズ・ジャズ・スタンダーズ
 先日ヤフオクでインターコネクトケーブルを落札していただいたmoukutsuさんが、本日ご友人の女性オーディオファイルとお二人で来訪され、拙宅の音を短時間ではありますが聴いていただきました。

 moukutsuさんと言えば「オーディオ博物館」と呼ばれるほどの種々の機種を使いこなされ、また「500Hz中心論」などを展開される理論派でもあられ、理論と実践を兼ね備えた関西有数のオーディオファイルでいらっしゃいます。
 今回は、ご友人がポジーのスピーカーを導入されたため、その使いこなしの勉強の一環としてお連れになったようです。初めてお会いするmoukutsuさんはとても物腰の柔らかな紳士でいらっしゃいました。ご友人の女性も気さくで楽しい方で、幸い話も弾み楽しい時間を過ごさせていただきました。

 moukutsuさんは嬉しい事に私のブログをいつもご覧いただいており、SP買い替え検討中の記事も読んでおられたため、事前に

Cub2最終形

の音を是非お聞かせいただきたいとのリクエストを頂いていました。うわっ、えらい事になっちゃった、と多少後悔しつつ(^_^;)、あれこれ考えながら昨晩からセッティングをいじっていました。とは言え、下手な小細工など通用する相手ではないことは十分分かっておりましたので、ウィルソン・オーディオ特有の高音のきつさやゴムまりのような低音の質感なども敢えてごまかさず、そのまま出す方向で煮詰めました。

 到着された後、しばし歓談の後、先ずは当方の用意したソフトを聴いていただき、ウィルソンの音を大まかにつかんでいただくこととしました。

1:バッハ「無伴奏チェロ組曲」より:ガイヤール 「AA誌サンプラーCD」(チェロの弦、胴鳴り)
2:The ButterflyCeltic WomanCeltic Woman」(フィドルの弦、アイリッシュ・ダンスのリズム感)
3:突然の贈り物大貫妙子 「Pure Acoustic」(ボーカル、ピアノ)
4:Bridge Over Troubled Water:Eva Cassidy 「Live At Blues Alley」(ボーカル、ライブの音場)
5:Rural Renewal:Crusaders 「Rural Renewal」(グルーブ感、低音の質感)
6:Dear Oscar:小曽根真トリオ 「Wizard of Ozone」(ピアノトリオのスイング感)

 大体moukutsuさんの想定内のウィルソンの音が出ていたようです。ご友人の方にはエヴァ・キャシディを気に入っていただけたようで良かったです。

 続いてお持ちいただいたソフトでこちらも勉強させていただきました。
1:菅野レコーディングバイブル:BEST SOUND SELECTION by Mori Shima
Tr5: Eclipse(Takemitsu)
Tr7: It's A Sin To Tell A Lie

 このSACD/CDはまだ聴いた事がなかったので有難かったです。Tr5は邦楽で尺八と琵琶の複雑な倍音の入った難しいソフトでしたが、拙宅のDP-85でもSACDとCDの質感の違いは十分聞き取れました。と言っても、ヒスノイズからして全く雰囲気が違うんですから、嶋先生の努力の賜物ですが(^_^;)。moukutsuさんからは琵琶のバチのアタック音がアポジーでは出しにくく拙宅のシステムでは割とよく出ていると評価をいただきました。Tr7は世良譲トリオのスイング感が割りとよく出ていたのではないかと思います。

2:Spain(Corea)GRP All Star Band 「プレイズ・ジャズ・スタンダーズ」
 デイブ・グルーシンのピアノやリー・リトナーのギターなど個々の質感はまずまず掴めており、音場もそれほど濁りなくクリアに再生できたかなと思います。しかし、実はビッグ・バンド・ジャズは拙宅のやや苦手な分野で、その予想通り全体としてはやはり腰高の再生となってしまっており、この曲だけはサブウーファーがあった方が良かったかなと思いました。500Hz中心論のmoukutsuさんも同じ思いで聴いておられような気がしました。

 名誉挽回と言うわけではありませんが、当方から寺井尚子の「Live」から同じSpainを聴いて頂き、こちらは寺井さんのヴァイオリンとアラン・パスクァの高音中心のピアノが核となる演奏ですので拙宅のシステムでもバランス良く鳴りました。これが今回お二人に一番気に入っていただけました。手前味噌ですが(実は私も久しぶりに聴いたのですが)今までで最高の再生だったかな、と思います。

3:Le Temps Du Lilas:Barbara
 ステサンでよく和田先生が取り上げておられるシャンソンバルバラを初めて聴かせていただきました。やはりウィルソンはアメリカのSPですね、やや明るすぎてバルバラのフランス語の妖艶さを表現することは難しかったです。でも雰囲気は良く分かりましたので、次のSPの参考になります。moukutsuさんの無言の励ましと受け取らせていただきました。

4:Audiophile Sampler
Tr1:Rey A Quien Reyes Adoran
Tr18:So Many Stars

 これも初めて聴かせて頂くサンプラーで勉強になりました。一曲目は聖歌隊の合唱、18曲目はジャズ・ボーカルの好録音盤でした。

 しばし休憩後、話の種程度にロクサンのアナログの音も聴いていただきました。ようやく最近になって小編成のポップス、ジャズなどはそれほど破綻なく聴けるようにはなったのですが、オーケストラなどはまだ音が暴れます。それを承知でカラヤンBPOの「木星」(ホルストの惑星より)なども聴いていただきました。
 moukutsuさんはふんふん、と言う感じで良い所もアラも全て聴き取っていただいていたようですが、お連れの女性の方は「木星」を通しで聴いたのは初めて、ということで喜んでいただけて思わぬ僥倖でした(^。^)。

 最後は我が家のキラーチューン、別名「無理やり聴かせる盤」ともいいますが(笑、山崎はこの「飛びます」を聴いていただきました。moukutsuさんから、アナログのボーカルは可聴音域に独特の密度感があっていいですね、と言うお褒めのお言葉をいただき、大変有難かったです。

 短時間でしたが楽しい時間を過ごさせていただきました。今後への励みにもなりました。お二人のアポジーもいつか聴かせて頂きたいです。どうもありがとうございました。