ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Rhapsody Naked / RC Succession

RHAPSODY NAKED (DVD付)
 先日の「80年代邦楽ベスト25」で「80年代ロックの幕開けを告げた一枚」と紹介したRC Successionの「ラプソディ」のコンプリート・バージョンをご紹介しましょう。

ディスク:1
1. Opening MC
2. よォーこそ(A-1)
3. ロックン・ロール・ ショー
4. エネルギー Oh エネルギー(A-2)
5. ラプソディー(A-3)
6. ボスしけてるぜ(A-4)
7. まりんブルース
8. たとえばこんなラヴ・ソング
9. いい事ばかりはありゃしない
10. Sweet Soul Music~The Dock Of The Bay

ディスク:2
1. エンジェル(B-1)
2. お墓
3. ブン・ブン・ブン(B-2)
4. ステップ!
5. スローバラード
6. 雨あがりの夜空に(B-3)
7. 上を向いて歩こう(B-4)
8. キモちE(B-5)
9. 指輪をはめたい
(オリジナル盤の配曲)

ディスク:3(DVD)
1. よォーこそ (イントロダクションのみ)
2. エネルギー Oh エネルギー
3. ブン・ブン・ブン
4. スローバラード
5.雨上がりの夜空に
6.キモちE
(DVDは既発売の「ロックン・ロール・ショウ 80/83」からの抜粋です)

RC SUCCESSION
忌野 KIYOSHIRO 清志郎(Vo)
仲井戸 CHABO 麗市(G)
小林 Rinko-Wassho 和生(B)
新井田耕三(Dr)
G2(Keyboard Robot Gonta 2-Gou)(kbd)

ゲスト
小川銀次(G) from Crosswind
梅津和時(Sax) from 生活向上委員会(生向委)
金子 Soul Sister マリ(Vo)

Recorded at 久保講堂 1980年4月5日

 ビートルズの「Let It Be naked」に倣って「naked」と名付けられています。そのあたりは当時のディレクターで今回もリマスターに携わった森川 Francis 欣信氏の解説に詳しいですが、確かにオリジナル盤には「ライブアルバム」と言う説明は一切ありませんでした。
 スタジオ録音ではどうしてもライブで彼らが見せる爆発的エネルギーが再現されない事に業を煮やした森川氏が、ライブ一発録りに賭けたのがこの久保講堂コンサートでした。その録音の細かい点をしらみつぶしに修正し、スタジオでオーバーダビングを重ねて完成させたのがオリジナルの「ラプソディ」だったわけです。その賭けは見事に的中し、このアルバムが80年代ロックの方向性を示した、またライブのあり方を決定付けた、と言って過言ではありません。

 しかし、森川氏には「あの日の名演を犠牲にして名盤を作ってしまった」と言う悔恨が残り、いつかコンプリート版をありのままの「naked」な状態で出したい、と考えていました。幸いマスターテープが良好な状態で保存されており、それに今のデジタル技術を駆使して完成したのがこのアルバムなのです。彼は解説の最後にこう書いています。

『そして25年の歳月を経て僕はやっとあの日の音に再会する事が出来た。あのミキサー卓でヘッド・フォン越しに聴いていたあの音に。RCは無敵のライブをやっている。その臨場感は時代を飛び越えている。仕上がった音はまるで昨日LIVE収録をして来ましたってくらい生々しく迫力のあるものだった。』

 オリジナル盤ではカットされていた観衆を煽りまくるCHABOのMCに早速体が熱くなります。直後「よォーこそ」が始まれば、完全にあの日あの頃のRCの世界。未収録曲ではSoul Sister金子マリの歌声を聞けるのも嬉しいですが、極めつけは何と言っても、キヨシローの「愛しあってるかい?」の煽りから滑り込む「スローバラード」でしょうね。そして最後の「指輪をはめたい」まで、全曲そしてキヨシローのMC、観客の反応、全てが完璧なロックンロールアルバム。

 とにかくどの曲を語ろうとしてもうまい言葉が見つかりません。言える事は唯一つ、オリジナルを知ってる人も知らない人も、

「買って聴け!」

だけですね。

 惜しむらくは、当時としてはクールな英語で書かれていたYoshinobu Francis MorikawaのライナーノートとKiyoshiro's Talkを再掲して欲しかったです。

"Rock'n Roll in Japanese? Don't make me laugh. What is Japanese, English, matehamtics? What is all this stuff? I'm not talking about school, man. I already graduated. I don't even  remember my class-kids, let alone the shit they taught us. School is school; we've past that. This is real life, man. We are just bandmen. When we're asked we just play"(Kiyoshiro Imawano, translation by Fukuko Yorifuji )