久々のライブレポートです。6月2日の土曜日、ゲストに元ちとせを迎えたザ・チーフタンズのコンサートに行って来ました。アイルランド音楽界の至宝といわれるグループ、ザ・チーフタンズは今年で結成45周年を迎えましたが、アイルランドと日本の国交が樹立されて50周年という節目の年の来日公演と相成りました。
The Chieftains Japan Tour 2007
Date: Jun 2nd, 2007
Place: ザ・シンフォニーホール、大阪
ザ・チーフタンズ
パディ・モローニ: イーリアン・パイプ/ティン・ホイッスル
マット・モロイ: フルート
ケヴィン・コネフ: ボウラン/ヴォーカル
(ショーン・ケーン急病のため参加取り止め)
トリーナ・マーシャル: アイリッシュ・ハープ
ジョン・ピラツキ: ステップダンス/フィドル
ネイサン・ピラツキ: ステップダンス
ポーラ・ゴールディング: アイリッシュ・ダンス
ボイド・マクニール: フィドル
ライアン・マクニール: キーボード
リアダン
ヴァレリー・ケイシー: フィドル/ヴォーカル
ディアドラ・チョーク: アコーディオン/ヴォーカル
エレイン・コーミカン: ヴォーカル/ホイッスル
シーレ・デンバー: ハープ/ヴォーカル
クレア・ドーラン: フィドル/ヴォーカル
ゲストシンガー: 元ちとせ
Setlist
1st Set:
1:Brian boru/9points/Chattering Magpie Reels
2:Kevin Solo - Cuba - Galcian Jig Muineira
3:Triona Harp Solo - Cotton Eye Joe
4:Song/Palkas/W.B. in #3/buttermind
5:Paddy(Tribute to Derek Bell) - Downfall Paris
6:Gile Mear/Rocky/Greggs Pipes 3x/Wild Irishman(Reels)
2nd Set
1:Polka(1x) - Peigin (2verses)
2:Matt Moloy solo
3:Siuil A Run / 虹が生まれる国(with元ちとせ)
4:Long Journey Home
5:Jon Pilatzke - Pilatzke Dance
6:Finale
Encore
An Dro ( All Members )
(Setlistはオフィシャルにコンサート後掲示されていたものですが、おそらくリハで使った進行表と見られ、曲名に略称がありますがご了承ください。例えばRocky→The Rocky Road To Dublinなど)
今回はネットで中央第一列のかぶりつきの席を取っておいたので、座ると胸の高さくらいで手を伸ばせばステージに触れることができました。ほぼ定刻にメンバーが登場すると、丁度目の前1Mくらいのところにアイルランドの人間国宝とも言うべきパディ翁が座っています。何と贅沢な事でしょうか(笑。
というわけでステージ前列向かって左からトリーナ、マット、パディ、ジョン、ボイド、後列向かって左手奥にキーボードのライアン、中央にケヴィンが座っています。向かって右手奥には女性5人組のグループリアダンのためのスペースがあり、ステージ向かって右手前方には板が敷いてあってアイリッシュダンス、ステップダンスのスペースが設けてありました。そしてステージ中央手前、すなわち私の目の前にはソロのためのマイクが設置されています。そこでアイリッシュハープ以外のメンバー及び元ちとせさんのソロが披露されました。
第一部冒頭から賑やかにケルト音楽のオン・パレード。ケヴィンのシャン・ノースと呼ばれる渋い独唱や、かの有名なCotton Eye Joeなど、次々とお得意のナンバーが演奏されます。随所にちりばめられたカナダからの客演ピラツキ兄弟のステップダンスやポーラ・ゴールディングのアイリッシュ・ダンスも見事なものでした。第一部終盤では、ローリング・ストーンズとの競演で話題を呼んだ「The Rocky Road To Dublin」がお決まりのSatisfactionの旋律を間に挟んで演奏され、会場は大受けでした。
そのように様々な分野の音楽家と競演を果たしてきたチーフタンズですが、第2部にはいよいよゲストの元ちとせさんが登場、メアリー・ブラックやケルティック・ウーマンで聴き慣れたSiuil A Runを奄美民謡で鍛えたこぶしで披露されました。アイルランドでの録音ではアイルランド人より上手いと言われた、と笑いながらMCされてましたね。
また帯同している5人組の女性グループ、リアダンの演奏も見事でした。それにLong jounrney Homeの途中で合唱した「シェナンドー河」には鳥肌が立ちました。パディは「ヴァン・モリソンは連れて来れなかったので彼女たちに歌ってもらう」と言ってましたけどね(苦笑。
アイリッシュ・ハープを担当していたデレク・ベルが2002年のアメリカ公演で急死、フィドルのマーティン・フェイは引退、今回来日予定だったフィドルのショーン・ケーンも心臓を患って取りやめ、とチーフタンズも時の流れには逆らえない運命にはあるのですが、リーダーのパディ・モローニは大変お元気でイーリアン・パイプ、ティン・ホイッスルで見事な演奏を聴かせてくださいました。イーリアン・パイプは間近で見るのは初めてで、大変興味深かったです。デレク・ベルに捧げたティン・ホイッスルでのソロにトリーナ・マーシャルのアイリッシュ・ハープが絡んできたときには思わずほろりとしました。マット・モロイもそのピカピカ頭は大変血色がよく、フルートのソロは冴え渡っていました。ケヴィン・コネフは最年少なのでまだ若々しかったです、といっても1945年生まれですが(^_^;)。バウロンと言うアイルランド独特のタンバリンを大きくしたような片側だけの打楽器も興味深かったです。
アンコールでは元ちとせさんも混じってスネークダンスの長い行列が会場を練り歩き、賑やかに盛り上がって幕を閉じました。終了後も万雷の拍手なりやまずメンバーがもう一度登場して喝采を浴び、終了。大変楽しいコンサートでした。12日までまだ全国を回っておられるので、興味のある方は是非どうぞ。