ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Live at Massey Hall 1971 / Neil Young

Live at Massey Hall 1971
 皆さんには系統とかジャンルとかとは全く無関係に、この人の動向だけは気になって仕方がない、というアーチストがいませんか?私にとってはこのニール・ヤングというおっさんがそうなんです、過去にも幾つかアルバムをご紹介した事があるのを覚えて頂いてたら嬉しいです。
 さて彼は最近アーカイブ・シリーズとして、古い未発表音源をリリースしています。去年のクレイジー・ホース名義でのフィルモア・イーストに続いて、今度は1971年のマッシー・ホールでのソロ・コンサートが発表されました。

1. On The Way Home
2. Tell Me Why
3. Old Man
4. Journey Through The Past
5. Helpless
6. Love In Mind
7. A Man Needs a Maid/Heart Of Gold Suite
8. Cowgirl In The Sand
9. Don't Let It Bring You Down
10. There's A World
11. Bad Fog Of Loneliness
12. The Needle And The Damage Done
13. Ohio
14. See The Sky About To Rain
15. Down By The River
16. Dance Dance Dance
17. I Am A Child

 時あたかも「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」で名声を確立し、傑作「ハーヴェスト」の発表を控えていた時期で、今では陳腐な表現になってしまいますが「シンガー・ソングライター」としてとても充実していた時期に当たります。ハーヴェストのライナーなんかを読むと私生活では辛い時期でもあったようですが、このコンサートのニールはとても良い状態です。持ち味であった透明感のある美しい声に強い意思の力がのり移っているようで、ソロだと言うのに凄い迫力です。マーチン・ドレッドノートの調子も良くクリアに録音されています。

 それにしてもこのコンサート観客は羨ましいですね。3,7なんかは1,2年後のコンサートだったら目玉になりそうな曲目だし、後年バーズも演奏した14など、未発表曲にこれだけの名曲が含まれているコンサートなんてめったにお目に掛かれるもんじゃないでしょう。加えてCNS&Y時代の名曲5、クレイジー・ホースのフィルモア・イーストでのライブにも収録されていた8など、大サービスの選曲ですね。おっと思ったのは11、長い間未発表だった曲でレッドロックスでのライブが初出だったと思いますが、この頃にやってたんですねえ。

 当時、例えば「ハーヴェスト」の後位の時期なら2枚組でも飛ぶように売れたんじゃないかと思いますが、どうして35年も眠らせていたんでしょう。というわけで、彼のベストの時期の歌声が聴け、当時のベストの選曲でもあり、お勧めです。