ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

岩手旅行(1)壬生義士伝を行く

Ipponsakura1
 岩手旅行に行ってまいりました。関西人には東北の自然は厳しく、その寒さ、風の強さが身に沁みましたが、それでも色々と岩手の名所を探訪してまいりました.私が岩手を一度訪れたいと前から思っていたのは、第一には浅田次郎先生の傑作「壬生義士伝」の舞台である南部藩を見てみたいという願望からでした。という訳で第一回は「壬生義士伝を行く」でお送りします。
壬生義士伝 上   文春文庫 あ 39-2

 「南部盛岡、それは美しいところでござんす、南に遠く早池峰山、西は南昌山に東根山、北の御山は岩手山姫神山、ぐるりを高い山々に囲まれて、城下を流る る中津川は桜の馬場の下で北上川と合流いたしやす、いやあこんたな絵に描いたような土地はこの日の本に二つとなござんす。」

 冒頭の写真は壬生義士伝の主人公南部藩を脱藩して新撰組に身を投じた吉村貫一郎が愛して止まなかった岩手山です。岩手山は本当に美しいですね、盛岡市内の開運橋から初めてその姿を見たときは感動しました。今の季節まだ雪を被っているとは想像もしなかったです。
 盛岡駅西側のマリオス20階の展望室に上がってみました。幸い晴れ間が覗き、この岩手山をはじめとして、姫神山、早池峰山、南昌山、東根山、箱が森山、中津川、北上川等々が一望でき絶景でした。
 なお、この写真のエゾヒガンの一本桜は映画「壬生義士伝」に出てくる美しい風景ですが、実は盛岡市内にはなく、小岩井農場内にあります。当然標高が高く、寒くて風は厳しく、まだつぼみも固い状況でした。それでも今回撮った写真の中でも飛びぬけて美しい風景でしたね。私は全然知らなかったのですがNHKの連続TV小説でも出てくるらしいです。

Ishiwarisakura
 盛岡裁判所敷地内にある天然記念物石割桜です。幸いこちらは八分咲きで見事な花を咲かせていました。吉村貫一郎はしばしば

「盛岡の桜は石ば割って咲ぐ。」

という台詞を口にしますが、この石割桜から浅田先生が考えられたのでしょう。不思議な事に一本の桜から白と紅と2種類の花が咲いていました。

Shirtoato1
 南部藩の中心、盛岡城です。別名不来方(こずかた)城と言われ、雫石川、中津川、北上川の3つの川に挟まれ天然の要塞として難攻不落を誇ったそうです。郷土の誇り石川啄木もよく授業を抜け出してここへ来たらしく、

不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸われし 十五の心」

と言う短歌を残しています。