ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ディラネスク / ブライアン・フェリー

ディラネスク
はむちぃ: 今回は久しぶりの音楽ネタでございまして、なだぎ様のディランネタではございませんので、検索から入ってこられた方はご注意くださいませm(__)m
ゆうけい: 先日深夜のバッファ組の「ビバリーヒルズ工業高校」コントは面白かったですけどね(^_^;)
は: ご主人様、話題がそれると長うなりますので本題に戻しませう、グラムロックの時代からダンディーで知られました伊達男ブライアン・フェリー様の新作は何と全曲ボブ・ディランのカバー集となっております。

1. Just Like Tom Thumb's Blues
2. Simple Twist Of Fate
3. Make You Feel My Love
4. The Times They Are A-Changin'
5. All I Really Want To Do
6. Knockin' On Heaven's Door
7. Positively 4th Street
8. If Not For You
9. Baby, Let Me Follow You Down
10. Gates Of Eden
11. All Along The Watchtower

ゆ: しかしまあ、ど派手で品のないジャケですね、実はCD表ラベルはもっとけばいんですけど。フェリーの派手好きとカバー好きは別に驚きませんが、、センスが悪くなったんちゃう(^_^;)?
は: カバー好きと言えば「Taxi」というカバー集も以前に出しておられますし、ボブ・ディランのカバーも以前にされておられますね。
ゆ: そうそう、ソロ作を出し始めた頃から「激しい雨」なんかをカバーしてましたからね、しかし彼に限らずイギリス系の人もボブ・ディランが好きやね~。

は: 以前紹介されたメアリー・ブラック様も3をカバーしておられますし、先日のマーク・ボラン様の記事の中でも歌詞中にボブ・ディランが出てきましたね。
ゆ: 「夜に蠢く怪物の名をボブ・ディランなら知っているだろう(ボールルームズ・オブ・マーズ)」って云うやつですな、皮肉好きのディランなら「それは俺のことだよ」なんて言いそうですけどね。
は: ご主人様はどのような方が印象に残っておるのでございます?
ゆ: ジョン・レノンですね。彼がそれまで信じてきたものを全て否定していき、最後には

「僕はビートルズを信じない」

と締めくくる痛切な歌があるんですけど、
は: 「ジョンの魂」所収の「God」でございますね。
ゆ: そうそう、正解。実はその中で

僕はZimmermanを信じない

という歌詞があるんだよね。逆に言うとそれまで彼に傾倒していたという事なんだな。

は: ご主人様は、自分の好きなアーチストが好きなアーチストは必ずチェックされますが、ディラン様はあまりお聴きになりませんね。
ゆ: そうなんだよね~、あの

蓄膿かよ」

と頭をはたかれそうな発音不明瞭の鼻声と時々不機嫌な猫みたいにはりあげる「ニャ~」みたいなシャウトが苦手でサブイボが立っちゃうんだよね。
は: 全世界のディランファンを敵に回しそうなご意見でございますね(>_<)、でもその割にディラン様の曲はよくご存知じゃありませんか。
ゆ: 何とか好きになろうと色々聴いたからね~、今回のカバーの中でも古いやつは大概知ってたな、まあ、嫌いな人間でも彼の曲は知っているというところがディランの偉大さなんでしょうな。
は: 何しろ「フォークの神様」でございますからね。
ゆ: そりゃ日本だけの名称だよ、昔彼が来日した時にインタビューで

「あなたはフォークの神様と呼ばれていますが」

なんていうお馬鹿な質問をしたやつがいて、ディランがきょとんとして

「俺はそんな呼ばれ方をしたことはない」

って答えてたのを聞いてこちらが赤面してしまったぞ。もっと普通に一アーチストとして扱うべきなんだと思うよ、例えば同じユダヤ系のポール・サイモンを神様とは崇めないでしょう。

は: 随分ディラン談義が長くなってしまいましたが、肝心のフェリー様のディランカバー、いかがでございましたでしょう?
ゆ: それがやね~、まあ一言で言うと

フェリーがカラオケでディランの物まねをしてるみたい

で「気色わる~」(by故岡八郎師匠)なんだよな、参った参った。わざわざあのくねくね声に似せることないやん、と思ってしましますた。まあディランファンにはたまらん快感かもしれませんが。
は: 私メ、結局フェリー様の地声にも聞こえず、ディランにもそれ程似ておらず、という印象を受けました。
ゆ: そうそう、マーク・ノップラーキーズ・リチャーズをちゃんぽんしたような変な声ですね。
は: もともとフェリー様のカバーは、他人の曲を自家薬籠中のものとして完全にフェリー節にしてしまうところが魅力だったと思うんですが?
ゆ: その通りですな、だから幾らディランに傾倒していると言ってもディランのマネをしちゃ彼の良さが生きて来ないんですよ。ですから個人的には地声に近い「時代は変わる」や「見張り塔からずっと」なんかが安心して聞けましたね。

は: 「見張り塔」はアレンジもロキシー・ミュージックぽくって良かったですね。
ゆ: ロキシー最後にして最良のツアーだった「Heart Still Beating」の頃のアレンジを思い出しましたね。これの他にもアンディ・ニューマークポール・キャラックが参加している曲はあるんだけど、不思議とこの曲だけがその印象が強かったですね。
は: フィル・マンザネラ様張りのEGがそう思わせるのかもしれませんね。
ゆ: それがロビン・トロワーだと思ってたんだけど、クレジットを見ると彼はアコースティック・ギターだけだったようです。クリス・スペディングがここぞとばかりに頑張ったんでしょうか。

は: そう言えばブライアン・イーノ様も一曲参加しておられますが。
ゆ: 8ですね、アルバム全体の流れの中に良いアクセントをつけていて、人選としては好選択だと思いますが、「マムーナ」の時のような驚きはもうないですね。無難に仕上げたというか、彼と組むならもっと前衛的な事をやってくれというか(^_^;)

は: さてオーディオファイルとして音質はいかがでございましたでしょう?
ゆ: フェリー自身とレット・デイヴィスのプロデュース、ボブ・クリアマウンテンのミキシング、ボブ・ルドビッヒのマスタリングですから推して知るべしですな.。安心して聴けますが特に新鮮味もございません、まあトヨタ好きの方にとってのトヨタの新車とおんなじですかな(爆。

は: では最後に一言お願いします。
ゆ: ディランが好きな方には良い贈り物だと思います。「ディラネスク・ツアー」をやるようですけど、私としてはロキシー再結成の噂の方が気になりますね。