ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

三村奈々恵コンサート@OBN

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 今日は雛祭り、という訳で昨夜は久々の大阪ブルーノートで女性マリンバ奏者三村奈々恵さんのコンサートを家内と聴いてきました。ブルーノートで聴くクラシックと言うのもおつなもので、1M前にマリンバが位置している(冒頭写真)と言う特等席をゲットできたこともあり、その心地よい響きに酔いしれました。マリンバと言えばブログ仲間のtakiさんがご専門ですが、本当に素晴らしい楽器ですね(^o^)/

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Date: March 2nd, 2007, 1st set(16:30-20:00)
Place: 大阪ブルーノート
Members:
三村 奈々恵 (Marimba&Vibraphone)
塩入 俊哉 (Piano&Keyboards)
竹下 欣伸 (Bass)
楯 直己 (Percussions&Native American Flute)

Setlist
1: ドビュッシー:ドクター・グラドゥス・アド・パルナッスム
2: グラシアス(オリジナル)
3: プラーナ(オリジナル)
4: ガイアの船(オリジナル)
5: バリオス・マンゴレ:大聖堂
6: アストラ・ピアソラ: タンゴNr.2
7: アリー・イン・バックベイ(オリジナル)
8: ハチャトリアン:剣の舞
9: アストラ・ピアソラリベルタンゴ
10: バイ・バイ・ブラジル(オリジナル)
EC
1: エンニオ・モリコーネ:ラ・カリファ

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 クラシック業界は女性でさえあれば「美人~奏者」とか冠をつけて売らんかな、という傾向がありますが、この三村さんは正真正銘の美女。臙脂のキャミソール風ドレスと黒でラメの入ったパンタロン+ハイヒールという、着る人によってはちょっと引いてしまいそうな衣装を難無く着こなして登場されました。髪は後ろに束ねておられ大きな耳が印象的。ちょっとバルカン人の血が入ってるか(^^ゞ。
 舞台中央向かってやや右よりのマリンバYAMAHAのYM-6000、その向かって左手のヴィブラフォンSaito製VS-320と思います。初めて間近で見ましたがその威容は存在感抜群でした。でも持ち運びが大変でしょうね。さて、その音色は良く言われる様に「癒し」の力を内在しているような素晴らしいもので、かぶりつきで聴かせて頂いて幸せでした。マリンバの木質の柔らかい音色に共鳴管による深い余韻が加わり作られる音、ヴィブラフォンの硬質で透明な音の粒が軽やかに空中に拡散していく様が視覚的にとらえられる気がしました。

 もともとクラシックで華々しい業績があり、その後ボストンに渡りバークリー音楽院で教鞭をとっているうちに多ジャンルの音楽に目覚めたという経歴をお持ちですから、演奏の完璧さには文句のつけようもありません(当然。そんな中でもやはりクラシックが自家薬籠中のジャンルという事で、5や9の目にも止まらぬ速弾きや打鍵の強弱の正確さに圧倒されました。

 まあ、敢えて言うとさすがにアドリブは苦手なようですね。よくギターとキーボード、或いはボーカルなどでやる即興の掛け合いを10でやったんですが、圧倒的に押されっぱなしでした(^_^;)。

 そうそう、マレットを片手に2本、両手で4本もって叩く、というのは写真で見て知ってはいたのですが、実際どう弾くのか興味津々で見ていました。が、、舞台を見上げる形になるのと、打鍵が速すぎるのとで、やっぱり判りませんでした(涙。おそらく別々のメロディラインを弾くとかいう事ではなく、5度やオクターブを同時に叩いておられるのではないかと、、、(takiさん、見てたら助けてくださいm(__)m)

 さて、サポートメンバーも紹介します。舞台向かって右奥はパーカッションのさん。夜店のように並べられた賑やかな機器でいろんな種類の効果音を紡ぎ出しておられたのとともに、シャントも見事でした。ちょっとエニグマの「リターン・トゥ・イノセンス」を思わせるような節回しもありましたね。珍しいところではジジュジジュとかいう大きな筒状の楽器、これはアポリジニの方が使うそうで呼気でも吸気でも音が出る循環楽器だそうです。

 舞台中央奥はベースの竹下欣伸さん。その名前に聞き覚えがありませんか?そう、「クライズラー&カンパニー」の竹下さんです!どうも見覚えのある顔だなあ、とずっと思っていたのですが三村さんの紹介がタケシさんとしか聞こえずわからなったんですよ。帰り際にブルーノートの表のメンバー表を見てやっとわかりました。そりゃあ暑苦しい葉加瀬さんの後ろより三村さんの方が良いよなあ(^o^)
 というわけで5弦EBとコントラバスを担当、サポートも柔らかい音使いで見事でしたし、クラシックの剣の舞を見事な4ビートで刻むところなど、K&Cで取った杵柄でしょうかね。10でのEBソロも流麗、アンコールでのアルコ弾きは万感胸に迫る名演!で感激しました。

 舞台向かって左端でヤマハ、ローランドのKbとグランドピアノを担当しておられたのが塩入さん。先程の続きではありませんがバイオリン持たせたら葉加瀬さんかと思うような体型(核爆。もちろん堅実なサポートをしておられましたし、先程述べたように掛け合い合戦では完全に勝利してましたね。

 後一応、観客(^^ゞ。今回はブルーノートでのクラシックという珍しい取り合わせですからそれ程お客さんは多くはなかったのですが、それでも手拍子や楯さん主導による4でのハミングなど会場一体となって楽しませていただきました。

 そして最後のサプライズはアンコールに待っていました。

「私の好きなエンニオ・モリコーネの作品の中でもとりわけ好きなラ・カリファを演奏させていただきます」

とのMCで始まったその旋律の憂愁に帯びた美しさに完全に言葉を失いました。そして途中からコントラバスのアルコ弾きが加わり、そして楯さんのリュートがすっと入り込んでくるあたりでは思わず目頭がジーン、、、こんな素晴らしいモリコーネナンバーを聴かせて頂き、モリコーネファンとしては至上の感激でした。

 帰りに早速ラ・カリファの入ったCDを購入して聴いてみましたが、今回の生演奏ほどの感激は得られませんでした。一言、幸せでした。家内もあのアンコールがなかったら「普通によかった」程度だった、と申しておりました。

プラーナ
プラーナ