ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

大阪体育大学涙の優勝!

 いやあ、久しぶりにTVの前で泣きました。昨日土曜日、世間の耳目が浦和レッズvsガンバ大阪に集まる中(nemotaさん、おめでとうござます)、わむちぃ君はセレッソ大阪vs川崎Fに、そして私はラグビー関西大学リーグ最終戦同志社vs大体大に釘付けになっていたのでした。大体大15年振りの優勝おめでとう!!!

大阪体育大学 26-14 同志社大学
   前半     0-14
   後半    26- 0

 前評判ではこの2校が最終戦で全勝対決するものと目されていましたが、前節ついに同志社の不敗神話が崩れ、京産大に苦杯を喫したのです。一方の名将坂田監督が率いる大体大は今期絶好調で、韓国からの留学生で三重の朝明高校出身のSH君を中心に従来のFW一辺倒から脱却しBK展開も見せてこれまで全勝。そしてこの試合、同志社が優勝するためには6点差以上をつけて勝つことが必要となりました。

 前半はやはり伝統の力が大きくものを言ったのか、同志社のペースでした。と言うか、やはりバックス勝負では同志社に一日の長があり、CTBのバックスキャプテン大橋君の見事なトライなどで14-0とリードしました。大体大は要の金君を中心にサインプレーやバックス展開を目論見ますが、雨でボールが滑る事もありミスが多く思うように陣地を取れずに逆にカウンターを食らってしまうと言う嫌な展開で前半を終えてしまいました。

 しかし逆に言うと地力がついたのか、2トライのみに押さえ込んだのがある意味自信につながったのではないかと思います。そう、大体大は典型的な後半勝負のチームなのです。ハーフタイムのインタビューでも坂田監督は思いの他落ち着いておられ、指示は

ミスを無くせ、難しい事をせずにシンプルにモールで押し込め

と言う事だけでした。

 そして後半、大体大が見違えるように活き活きと動き出します。まずミスがなくなり、特に自身のラインナウトを100%支配できるようになりました。そしてシンプルなFW展開。特にモールの威力は凄まじく、同志社の防御が寸断されなす術なく後退していきます。この威力で力づくの2トライを返し12-14。
 その後も大体大FWの威力は衰えず、たまらず同志社はコラプシング等の反則を繰り返し、ついには神農君がシンビンになる痛恨の展開。そしてついに後半22分モールを押し込んでエイトの藤本君が逆転トライを押さえ込みました。結局FWが後半4トライを奪い返した大体大が歓喜の笛を聞く事になりました。終わった瞬間坂田監督がふ~と大きな深呼吸をされたのが印象的でした。

「15年、長かったです。いまの子供たちに聞くと小学校一年生だったようで、もう初優勝みたいなものですね。選手たちに本当にありがとうと言いたい」

と目を潤ませる坂田監督に思わずほろりとしてしまいました。あの世界のサカタが白髪交じりの初老のおじいさんになっておられたのも15年と言う歳月を感じさせました。あのしわ一本一本にこれまでの艱難辛苦、同志社と言う厚い壁に立ち向かってこられた苦労が刻まれているようにも思いました。

 さて、大体大は関西一位として大学選手権に臨みます。そういう意味では意地でも準決勝まで勝ちあがって、まず間違いなく勝ちあがってくる関東学院大と対戦して欲しい。正直言って今日のような関西カラーのFW勝負だけでは早稲田、関東の2強にはとてもかなわないと思うし、2強までの壁も結構厚いと思います。それを打破するためには君を中心にFW勝負に有効に絡めるようなBK展開をもう一度練習しなおして臨んで欲しいです。ちなみに金君は日本の社会人ラグビーに進むべく、徴兵制のある韓国籍から日本籍に替える事を決断したらしいです。注目の人材と言えましょう。

 また、3位に甘んじた同志社ももう一度立て直して選手権の台風の目になって欲しいです。今期不調の宇薄君の復調が鍵でしょうか。大学1,2年の時のトライ王も今期は僅か4トライに終わっています。去年までの正面君を始めとした強力なバックス陣に活かされていただけの存在では終わって欲しくない才能の持ち主だと思います、彼をどのように活かすか、中尾監督の腕の見せ所はこれからだと信じたい。がんばれ関西大学ラグビー!!!