ライヴ・イン・東京 1970
指揮:ジョージ・セル
演奏:クリーヴランド管弦楽団
曲目:
1. 拍手
2. ウェーバー: 歌劇「オベロン」序曲
3. モーツァルト: 交響曲第40番ト短調 K.550
4. シベリウス: 交響曲第2番ニ長調 作品43
5. ベルリオーズ: ラコッツィ行進曲(「ファウストの劫罰」作品24より)
は: ご主人様、先日のブースカのコンサートは素晴らしかったようでございますね。
ゆ: 「ぼーくはブースカブーに~んきものぉ~」ってちがーう!
は: 相変わらずボケツッコミはお上手でございます(-.-)ボソッ
ゆ: と言うわけで、やっぱりオケ再生はライブには到底かなわないのか、とオーマニは悩むわけですな(ーー;)、石井先生も
「2Chのステレオで綺麗に再生できる楽器数は片手まで」
とおっしゃっておられたしのう。
は: とか言いつつ今日のレビューはライブでございますね。
ゆ: そうそう、クラシックのライブアルバムで私をこれほど感動させたものがあっただろうか、いや無い!
は: 国語の反語のお勉強でございますか、やれやれ。
それにしても1970年とはこれまた古い録音でございますね。
ゆ: そうなのだ、SACDに焼きなおすことによって素晴らしい音質として甦った名盤中の名盤、
と発賣当時かなり話題になったのだが、何分にも漫画「20世紀少年」でおなじみの万博の頃の録音だし、
SONYだし(失礼)、
それに高いしでなかなか手を出せなかったのじゃ。
は: やっぱし(・_・;)、で何で今頃お買いになったのでございます?
ゆ: シベリウスの2番が入ってるからなのだな、比較勉強の為に思い切って買ってみたのじゃ。
は: なるほど、それでブースカに戻りました。ではこの辺で、チャンチャン!
ゆ: って、ちがーう、ヴァンスカだっちゅうの(古、
それにレビューして無いよ~(ToT)
は: ではレビューに参りましょう(シレッ、指揮は天下の名匠ジョージ・セル様でございます。
何とセル様ただ一度の来日公演、しかもその2ヵ月後に天国に旅立たれると言う劇的な展開もございました。
ゆ: 私、セルにはいろいろと複雑な思い入れがありんす。
は: 芸者ですか、あんたは(ーー;)、でこの巨匠にどんな複雑な思い入れがあるのでございます?
ゆ: 学生時代クラファンの同級生に
「自分クラの指揮者で誰か好きな人おるん?」
と訊かれた事があるんだな、当然私がロック小僧だと知ってて訊いてきよったわけだが。
は: 一応解説申し上げますと、「自分」とは関西では「You」の意味になります。ははぁ、で
「やっぱりセルが好き!」
とか答えたんでございますね。
ゆ: ピンポーン、その頃「新世界」をよくセルで聴いていたもので反射的に答えてしまったんだな、
それで返ってきた返事が苦笑交じりの
「セルかよぉ~(-。-)y-゜゜゜」
だったんじゃ~、純真な心を傷つけおってからに~(怒。
は: 今頃怒っても仕方ございませんよ、でもどうしてそんな答えが返ってきたんでございましょう?
ゆ: 一つには、
「やっぱり素人はカラヤンかセルくらいしか知らんのだな」
という思いがあったんでしょうな
は: なるほど、クラシックで誰が好き?と訊かれてベートーベンと答えるような感覚でしょうかね。
ゆ: まっそういうとこでしょうな、それに加えてセルと言えば巨匠ではあるが
「謹厳実直で面白みが全くない」というイメージが強かったんですね。
は: 確かにクリーブランド管を厳しい練習と鉄の規律で鍛え上げ、スコア重視の姿勢を貫いた方でございますからね。
ゆ: そうそう、で確かにど素人であった私としてはこれがクラシックなんだ、と素直に思い込んでいたのであの返事は相当こたえてだな、それ以来クラシック嫌いになってしまったのじゃ。
は: なんか、おいたわしいと言うか、情けないと言うか(-_-;)、で近年はオーディオの試聴会やオフ会などで少しずつその呪縛から開放されて来られたわけですね。
ゆ: そうそう、そう言うことじゃ、義妹からクラシック全集ももらったしのう!(^^)!、でもセルだけは聴くのが怖くて敢えて避けていたところもあったのじゃな。でも「ライブ・イン・東京」
買ってよかった、本当に心底感動したぞ、これぞセルだ、わしの目に狂いは無かったのじゃとな(゜-゜)(遠い目)
は: 歪んだ劣等感があっただけと言う気もいたしますが、それほど感動的なシベリウス2番でございましたか!?
ゆ: いや、あの2番が模範的な名演か、と言われるとちょっと違う気もするんだよね、鬼気迫る迫力はあるんだけど。それより何より最初の2曲です、やっぱり。
ウェーバーのオベロン序曲のこの世のものと思えぬほどの弦の美しさ、死期を察知したセル畢生の指揮か!と思わせる入魂のモーツァルト、これだけでもう圧倒されてしまい、本当に腰が抜けてしまいますた。
は:クリーブランドの弦の美しさはウィーンフィルとはまた違った個性がございますが、 セル様の最期のオーラによって更に一段高いレベルに引き上げられた感じがいたしますね、はむちぃめも陶酔いたしました(ウルウル('_'))
ゆ: でっしょ~、ステサンの許光俊先生ではございませんが、「モーツァルトで癒されたーい」とか言ってるフヌケタ輩にはこの演奏を聴いて
真のモーツァルト演奏に対する畏怖の念
を抱いて欲しいものでございます。
は: その貴重なマスターテープをよくぞここまでの音質に仕上げていただいたSONYの技術陣にも感謝の気持ちで一杯でございますね。
ゆ: そうそう、それを忘れてました、今まで内心バカにしててスマソ_(._.)_、ライナーノートもなかなか泣かせますね。
は: と言うわけでSACDと言う制約はございますが、セル様一世一代の名演でございます、皆様是非どうぞ。