ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Metheny Mehldau

  前回に引き続いてもう一枚ハマっているジャズアルバムを。私の大好きなギタリストとピアニストが夢の共演!という一枚です。アルバム名もそのまんま「Metheny Mehldau
Metheny Mehldau
Metheny Mehldau

Pat Metheny (g)
Brad Mehldau (p)
Larry Grenadier (b)
Jeff Ballard(ds)

1. Unrequited (Mehldau)
2. Ahmid-6 (Metheny)
3. Summer Day (Metheny)
4. Ring Of Life (Metheny)
5. Legend (Mehldau)
6. Find Me In Your Dreams (Metheny)
7. Say The Brother's Name (Metheny)
8. Bachelors III (Metheny)
9. Annie's Bittersweet Cake (Mehldau)
10. Make Peace (Metheny)

 ノンサッチレーベルからの発売ですから、ジャケットがとてもしゃれていて美しいですね。写真だけでは判りませんがとても凝った仕掛けになってるんですよ。ノンサッチレーベルの特徴である、CDケースに必ずカバーをつけているところに目をつけたデザインなんです、実際買ってみてお確かめの程を(^_^;)。

 さて、ジャケットをめくってみると二人がそれぞれライナーを書いています。それによりますと、
 
 メセニーはジョシュア・レッドマンから素晴らしいピアニストがいるよ、と聞かされていて、ある夜車のラジオから流れてきたジョシュアの曲中でのピアノ演奏に衝撃を受け、車を止めて聴きいったそうです。

 一方のメルドーにとってメセニーはマイルス・デイヴィスジョン・コルトレーンキース・ジャレットと同列というほど心酔・尊敬するアーチストだったそうです。初めて聴いたのはStarlessさんもお気に入りのライブアルバム「Travels」のなかの「ついておいで」だそう。
Travels
Travels

 という訳で二人が曲を持ち寄って作成されたのがこのアルバム。期待にそぐわぬ出来です、と紹介したいところですが、メセニーが好きな私でもやはり彼独特のギター・シンセの音色とメルドーのアコースティック・ピアノの音は今一つ有機的に絡んでいない印象を受け、最初の2曲くらいはややがっかりしましたね。やっぱりメセニーにはライル・メイズか、、、

 ところが驚き、4,7のリズムセクションを入れたカルテット演奏になると俄然素晴らしい演奏が展開されます。この二人はブラッド・メルドー・トリオでやってましたし、ラリーはメセニーとも組んでいましたし、もう4人とも気心がしれてるんでしょうね。ラリーのブンブン唸るベース、ジェフの歯切れ良いドラミングが後ろからぐんぐん煽りまくり、雰囲気を一変させてしまいました。

Brad Mehldau Trio featuring Pat Metheny

といった趣でしょうか、これこそ私が聴きたかった演奏だ!とちょっと興奮してしまいました。このカルテットでのライブを是非やって欲しいですねえ。

 そしてサプライズはもう一度最後に待っていました。ラスト曲「Make Peace」です。メセニーが「One Quiet Night」で初めて披露したバリトン・ギターに持ち替え美しい旋律を弾き始めると、今度こそはそれに絡んでくるメルドーのピアノとの相性も抜群で、感動的に美しい曲に仕上がっています。これは必聴です!
One Quiet Night
One Quiet Night