ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Ocean Rain / Echo&The Bunnymen

Ocean Rain
Ocean Rain


1. Silver
2. Nocturnal Me
3. Crystal Days
4. The Yo-Yo Man
5. Thorn Of Crowns
6. The Killing Moon
7. Seven Seas
8. My Kingdom
9. Ocean Rain
10. Angels And Devils
11. All You Need Is Love (Alt. Vers)
12. The Killing Moon (Alt. Vers)
13. Stars Are Stars (Alt. Vers)
14. Villiers Terrace (Alt. Vers)
15. Silver (Alt. Vers)
16. My Kingdom (Live)
17. Ocean Rain (Live)

 大場商亊試聴会の帰り、心斎橋HMVに寄ってCDを物色していたらこの美しくも懐かしいジャケットが目に入りました。彼等の25周年記念リマスタリングだそうで、ボーナストラック7曲を含め17曲も入っており、2枚2799円セールにもつられて買ってしまいました(笑。

 いやあ、久しぶりに聴きましたが、やっぱり名作といわれるだけの事はありますね。特に6から10にかけてがいいです。ちなみに私、このアルバムの題名ずっと「キリング・ムーン」だと思ってました(冷汗。「オーシャン・レイン」だったのか、海に降る雨、村上春樹氏の「国境の南、太陽の西」のラストを思い出すなあ。

 閑話休題、エコー社のリズム・マシーンはもうこの時期には影を潜め、大胆にストリングスを導入したりしてますが、ジュリアン・コープと並んで80年代のリバプールサウンドを代表するナルシスト、U2の天敵、イアン・マッカロクのボーカルは、このアルバムに於いてその極北に達しているんじゃないかな、と思わせます。「キリング・ムーン」はやはり80年代イギリスのネオ・サイケデリック・ムーヴメントの一つの帰結を示す名曲ですね。今聴くと演奏自体は大したことないかな?と思わないでもないですが、曲自体の持つ暗くて静謐な美しさという点において比類なきものを持っていると感じます。

 初期には共通点も多かったエコバニU2ですが、この時期になると陰(エコバニ)と陽(U2)の対比がはっきりとしてきており、その後の盛衰はご存知の通り。当初の予定通り、スティーブ・リリーホワイトにプロデュースを任せていればまた違ったその後のエコバニが見られたのかもしれませんが、彼等自身でこのアルバムを制作してしまったことで、ある意味エコバニはその使命を終えてしまったのかもしれません。

 リバプールの偉大な先輩の曲「All You Need Is Love」がけだるくて間延びしているのも彼等らしいといえばらしいです。