ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

究極の勝利/清宮克幸

 「新リア王」という究極の難題^^;をクリアしたのでつかえが取れたように、何冊か平行して読んでます。というわけで究極の勝利をご紹介。

究極の勝利 ULTIMATE CRUSH―最強の組織とリーダーシップ論
究極の勝利 ULTIMATE CRUSH―最強の組織とリーダーシップ論

 早稲田ラグビーを学生界では無敵なチームに成長させ、今年の日本選手権ではトップリーグトヨタを破る金星を挙げた早稲田大監督、清宮氏の最新著書です。日本では大体において、敗者は誰かが感動的なノンフィクションにし、勝者は指導者が管理学を説くような本を出す傾向にありますが、これもその一つでしょう。

 確かに彼の行った改革は素晴らしいし、なるほどと首肯する点も多々あり、大変勉強になりました。でも逆に言うと、科学的な理詰めのトレーニングが最近までは行われていなかったのか!?と愕然としたりもします。清宮さんが入られた頃のサントリーのチームって、プロ野球の大昔の近鉄パールスの頃のような体たらく、って感じです。

 ちょっと同意できないのは科学的練習を行った上で、絞り練習と言う根性論的な練習を行うと明言していること。先日少年野球でその様な敗戦後の絞り練習で死者がでたばかりだというのに、ちょっと無神経ではないかな、と思いました。できれば絞り練習で故障者を出さない為の科学的受容限度を設定しているのかどうか明言してほしかったですね。

 氏は来シーズンから再びサントリーで指揮を取られます。そして優勝した暁には

自ら日本代表の監督の座を取りに行く

とこの著書で明言しておられます。できれば早稲田を東芝府中と互角に戦えるところまで成長させていただければもっともっと説得力があった(とはいえ、百年河清を待つの話かもしれませんね)と思いますが、とにかく来シーズンのサントリーの戦いぶり、期待しましょう。