ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

あの映画は本当に名作なのか

は: ご主人様、サブタイトルの意味が分からんと苦情が来ております(困。
ゆ: スマソ、

あの映画の健さんって、そんなに名演技だったか?

というやつですね。別に最新作のコトではないのだ。TVで「武士の一分」の記者会見をやってたので、またかよ、と思ってしまったわけだ。
 山田洋次監督がキムタクを褒める分には別に異存は無いのだが、何で高倉健ばかり引き合いに出すかな、あの映画はそんなに名作だったか?と思ってしまうのだ。

リンク: @nifty:Sports@nifty:山田監督 キムタクにほれる(スポニチ).

は: はあ、ではこの作品でございますか?

幸福の黄色いハンカチ
幸福の黄色いハンカチ

ゆ: そういうこと。彼はこの映画を余程気に入ってるらしい。世間的にも数々の賞を独占し、日本映画史上に残る傑作ともいわれているしね。健さんが新境地を開いたとも言われてる。でも個人的にはその全てに疑問があるんだ。

は: 日本で最初のロード・ムービーとの評価が高うございます。
ゆ: でもねはむちぃ君、あの時代をリアルタイムで経験したもんにとっては何のことは無い、ヒット曲の映画化というよくあるパターンなのだよ。タネはピート・ハミルの短編にインスパイアされて作られた、Tony Orland & Dawnの「Tie A Yellow Ribbon Round The Old Oak Tree」という歌なのだ。カントリーにしては珍しく日本でも当時大ヒットしておってな、私なんか深夜ラジオでミミタコになるくらい聞かされたものじゃ((゜-゜)遠い目)。
は: ご主人様、惚けてますよ(ーー;)。よくあるパターンでも、作品が優れていれば問題ないのではありませんか?
ゆ: 正論ですっ、はむちぃ君!
は: わおっ、久々の大声(>_<)、正論ならどこがイケないのでございましょう?
ゆ: 私も封切り当時映画館で見て、まあまあ佳作とは思ったんだよ。でもその後数々の栄誉にまみれていくのを見るにつけ、それほどのもんでもないでしょう、としか思えなくなったな。元はと言えば、原作が優れているわけだし、俳優陣の演技に監督の力量が出てるとも思えなかった。

は: 高倉健様が新境地を開かれたという点もでございますか?
ゆ: そうそう、東映ヤクザ映画以外の普通の作品でも存在感を示したというだけでしょう。役柄も東映時代の路線からそう逸脱してるわけでもないし。やくざのイメージの強い人を敢えて起用したところがえらいと言われればそれまでだけど。
は: 武田鉄也さんや桃井かおりさんの演技も絶賛されましたが?
ゆ: 正直言って当時の彼らを知ってれば、ああ、地のままやってんな、という程度の演技。個性を引き出すのがうまいって言うほどのコトでもないと思った。映画の製作現場ってのはこうですよ、って言うことを武田鉄也に教えた事で彼には感謝されたらしいけど、その後の彼の作る映画を見たら、
は: ご、ご主人様、それ以上は言わなくて結構でございます(ーー;)。

ゆ: まあそういうことで、

この歌を聴いてこのキャスティングにすればこういう風にすれば面白いんじゃないかな、と人々が期待するそのまんまの映画を作る

という才能はあったというところだろうかなあ。
は: 寅さんシリーズをはじめとして、観衆の心をつかむ事にかけては天下一品ですもんね。
ゆ: 結局偉大なるマンネリズムの人なんだろうかねえ。

は: では監督としては全く評価なさらないと?
ゆ: いやいや、そんなことは無いんだよ、集客力のある監督というのは大事なんだということは十分分かるんだ。それに、当の時代劇三部作の嚆矢となった「たそがれ清兵衛」は近年稀に見る傑作だと思ったよ、彼がこんな時代劇を作れるんだ、と正直ビックリした。特に主演の真田広之は素晴らしかった。
は: 真田様と比べられると、キムタク様も剣道を習っておられたとはいえ、つろうございますね。
ゆ: おっ、良い事言うね、はむちぃ君!真田広之は、実際にも演技でも達人の粋に達しているからなあ。山田監督も彼と比べてしまうと辛いもんだから健さんを持ち出したのかもね。

たそがれ清兵衛
たそがれ清兵衛