ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

花園熱戦譜

 昨日の深夜に大阪毎日放送MBS)TVで第85回全国高校ラグビー大会の総集編を放送していたので、ビデオにとって今日観ました。
リンク: MBS~KOBELCOスポーツスペシャル 第85回全国高校ラグビー大会~.

 正直言って放映時間を大幅に減らし、ラジオ中継もしなくなったMBSにはがっくしきてました。この総集編を見ても溜飲は下がるどころか、逆にああっ何でこんな良い試合を完全中継してくれなかったんだ!と逆に不満が募るばかりです。ホント、地上波だけではラグビーは楽しめない時代になってしまいました。

 私が知っているゲームの中でベストゲームをあげるとすれば、

準々決勝 伏見工 24 - 20 長崎北陽台

でしょう。今回大阪、京都勢を破る可能性があるとすれば長崎北陽台だと感じていましたが、予想通りNZ仕込のモールでラスト10分前に逆転するなど、大健闘を見せました。しかしラスト10分前の逆転に関して、この総集編で伏見工の高崎監督は、PGを選んでくれたのでホッとした、この時点で一点差で逆転されてもOKと思っていた、と語っておられました。それだけ長崎北陽台のモールは脅威だったとも言えますが、強豪校ひしめく近畿でもまれている自信と矜持も伺わせるコメントでした。それにしても完全中継を見たかった試合です。

 そして最も注目の集まったのはこの試合。

準々決勝 大工大高 29 - 12 啓光学園

 今年の大会もどこの高校が優勝するかより、啓光学園を止めるかの方が注目されていました。結局同じ大阪勢の大工大高がその役を果たしました。啓光は初戦から啓光らしくないミスが多かったように思いましたが、この試合でも多かったようです。これくらいの高校になると、彼等の代になって急にハンドリングが荒くなったりする分けもないし、これはやはりプレッシャー以外の何者でもないんでしょう。これでまた初心に帰り、流麗な啓光ラグビーを見せてくれる事を期待します。TVでも決勝戦の僅か10日後に雨中で伏見工と練習試合をしているところを流していました。

 この大会でMVPを選ぶとしたら、おそらく満場一致で伏見工業の杉本主将でしょう。キャプテンシーも個人技も素晴らしいものがありました。この熱戦譜でも決勝戦前の浮ついた雰囲気を監督が引き締めようとしたところ、彼自らが申し出て全員に「このままじゃ勝てない!」と涙ながらに訴えたそうで、胴上げされるに相応しいプレーヤーだと思いました。今回の熱戦譜でおっ、と思ったのは桐蔭学園のキャプテンのスクラムハーフ。実に動きにメリハリがあって俊敏、且つ力強いところがありました。

 残念だったのは海外からの留学生を見られなかったこと。ということは早い段階で消えていったんだろうと思います。花園へ出るには有効な手段なんでしょうけれども、花園で勝ち進むには彼等の力頼みでは無理、ということなのでしょう。じゃあもし啓光に二人くらい外国人選手がいればどうだっただろう、なんて想像すると面白いですけどね。