ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Ancient Capital Revisited

deer
 1月2日の同窓会は奈良市であったのですが、1時間ほど早く出て、奈良の街を久しぶりに散策してみました。私は6年間奈良市内にある中学高校へ通っていたのですが、街が静けさに包まれる冬が一番好きでした。

 近鉄奈良駅は地下にあり、階段を上がると県庁通りに出ます。緩い登坂を上がると、もう右手は興福寺の境内になります。写真は歩道にある鹿せんべいさんです。向かいに見えるのは県庁です。舗装されていない広い歩道も、鹿も、煎餅屋さんも、ホント当たり前のように思っていましたが、奈良以外では見られない情景ですね。

kohukuji-2 このせんべい屋さんの右手が興福寺北参道になっていて、すぐに境内に入れます。そしてすぐに東金堂(写真左手前)と五重塔(右奥)が見えます。
 東金堂の北側には国宝館があり、日本の仏像芸術史上十指に入るであろう(と私が勝手に思っている)傑作阿修羅像があります。奈良へ来てこれを観ないで帰る手はありません。幸いお正月から開館しておりましたのでゆっくりと鑑賞させていただきました。光瀬龍先生の「百億の昼と千億の夜」の主人公は阿修羅なのですが、萩尾望都先生の漫画でイメージが固定されてしまったきらいがありますね。でも私にとっては阿修羅はこの仏像のご尊顔(三面あります)なのです。

憂愁に満ちた少女のような

とどなたかが評されておられましたが、けだし名言です。そう言えば世に倦む日々のthessalonikeさんも阿修羅像のファンでしたね。

kohukuji 南側は坂になっていてそれを下り終えたところには猿沢の池があります。この池に写る五重塔、と言うのが奈良を紹介するときに良く用いられるモチーフとなっていますね。ちなみに猿はいません(^_^;)、亀はいますけど。
 興福寺と池の間の道は三条通と呼ばれる奈良の目抜き通りの一つです。歩行者天国になっていて、お正月から大変な人出でした。

narastation その三条通を西に抜けると、JR奈良駅につきあたりますーーーが、何か昔と様子が違います。私の知っている駅舎が飾り物になってる(?_?)
 というわけで写真は奈良駅です。昭和9年完成の、方形屋根に相輪を持つ大変風情のある寺院風の洋風建築ですが、訊くところによると2003年にその役割を終えたとのことでした。高架化工事に伴い取り壊される予定でしたが、市民の運動などにより保存されることになったそうです。この素晴らしい建築を壊してしまう予定だったとはホントにJRは(以下略)(-_-メ)
 
 その背後に見えているホテルで同窓会がありました、と言うことで散策糸冬了~とあいなりました。短い時間でしたが、久しぶりに吸った奈良の空気は美味しかったです。
 ちなみにこの記事の題名はある有名な小説のもじりなんですけど、わかっていただいた方がおられたら嬉しいです。