ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ハウルの動く城

 宮崎アニメ「ハウルの動く城」がニューヨーク映画批評家協会のアニメ賞を受賞したそうです。この賞の方がアカデミー賞よりアカデミック、という印象がありますから、海外でも芸術作品として認められたと言って過言ではないでしょうね。既にベネチア映画祭をはじめ、多くの賞を獲得していましたし、もう宮崎作品、向かう所敵なしの感があります。
ハウルの動く城
ハウルの動く城

リンク: asahi.com: アニメ賞に「ハウルの動く城」 NY映画批評家協会�-�文化・芸能.

 愛国主義全盛の時代。王国の兵士たちが今まさに、戦地に赴こうとしている。銃には花が飾られ、歓呼の中を行進する兵士たち。荒地には、美女の心臓をとって喰らうという魔法使いハウルの、動く城まで現れた。

 そんな町から離れて歩く、ひとりの少女がいた。主人公ソフィーは18才。荒地の裾野に広がる町で生まれ育ち、亡き父の残した帽子屋を切り盛りしている。ソフィーはある日、町で美貌の青年と出会う。何かに追われているらしい青年はソフィーと共に天へ舞い上がったかと思うと、束の間の空中散歩にいざなう。 夢のような出来事に心奪われるソフィー。しかしその夜、ソフィーは、荒地の魔女と名乗る魔女に呪いを掛けられ、90才のお婆ちゃんに姿を変えられてしま う。このままでは家にいられない!

 ソフィーは荷物をまとめ、ハウルの棲む城があるという、人里離れた荒地を目指すのだった。(AMAZON解説より)

 家内はロードショーで見て原作も読んでいるのですが、私はDVDになってから初めて先日鑑賞しました。いろいろなブログで前知識はなにかと入っていて、

1:宮崎作品にしてはものたりない
2:原作を知らないとわからない部分が多い

という批評が多かったと思います。まあ、そのとおりなんでしょうけれど、ハリー・ポッターシリーズと同じく、単独の映画として見た場合にはまあまあ良くできていると思います。機械文明批判、自然破壊批判等、明確な主張のあるのが宮崎作品の特徴ではあると思いますが、今回は反戦ということなのでしょうか。といっても、それほど主張が前面に出ず大人しい印象です。まあ、原作もあることですしまあそういう作品があっても良いと思います。とりあえず原作も読んでみようかという気にはさせていただきました。

 映像的には中世ヨーロッパを意識した美しいもので、さすがジブリですね。いつもよりちょっとパステル調なのも好印象でした。動く城の造形も良くできていますし、各キャラクタの描き分けもきっちりとできています。が、一言言わせていただくと、さすがに宮崎流の顔の造形にはもう飽きましたねえ。どの映画も金太郎飴みたいに同じ顔が出てくるのはちょっと食傷気味かな。タッチの足立先生じゃないんだから(^_^;)

 キムタクのセリフが棒読みだ、という意見が多かったですが、棒読みでもかまわないようなキャラで悪くなかったです。美輪明宏さんの貫禄はさすがですが、もののけ姫のモロの印象が強すぎて困りました。

 次回作は懐かしのゲド戦記だそう。メガホンは宮崎駿さんの息子さんが取るようです。