ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

So uncivilized!

 昨日書いたように、日曜日にスターウォーズⅢ:シスの復讐を観てきました。壮大なサーガの最後のピースがぴたりとハマるのを見届けるのはまあ、30年前第一作をリアルタイムで観たものとしての義務でもあり愉悦でもありました。

 第一作を観たときは友人と「要するにアメリカ人は単純明快なストーリーが好きなんだ」という結論に達したのですが、ルーカスが本当に最初からこの6部作の考想を持っていたのなら御見それしました、30年間ご苦労様でしたというところですね。

 本作は前と後がわかっていて、わずか2時間半程度の時間でプロットに整合性をつけねばならないし観客もそれを期待している、という縛りがあり、どうしても単純な説明調のストーリー展開になってしまったのはある程度仕方ないところかと思います。しかしそれにつられてか、台詞も単調で深みにかけるものになってしまったような印象を受けました。

 なにしろこのキャラならこういう台詞を言いそうだ、という予想がビシバシ当たってしまう上に、単純明快簡潔な台詞の連続なので私でも殆ど字幕無しで聞き取れてしまいました。同じくプロットが初めからわかっていてもハリー・ポッターシリーズなんかはガキンチョの雑談でさえ聞き取れないのに比べるとえらい違いです。ルーカスさん、自分で落とし前をつけたいのはわかるけど、脚本はやっぱりプロに頼むべきだったんじゃーー。

 そのような台詞回しの中で少し気になったのが、オビ=ワンがグリーヴァス将軍を危機一髪ブラスターガンのような銃で倒したあとの台詞です。

So uncivilized!(といってガンを投げ捨てる)→字幕「掃除が大変だな

一聴単純に「野蛮なやつめ」という意味かと思ったのですが、一瞬眼が点(・・?になってしまいました。最近何かと話題の多い戸田奈津子女史のことですから、またまた思い切った意訳をかましたのかなと思ってましたが、どうも理解し難いので英語に堪能でこの映画を観ておられるTakiさんのブログでお尋ねしてみました。すると、勿体なくもありがたいことに早速調べていただき、中野系というブログにその答えがありました。引用させていただくと、

オビワンがシリーズで常々「銃のような野蛮(Uncivilized)な武器と違ってライトセイバーは…」と訴えてきたことを知っていれば(エピソード4でもルークに向かってそう説いている)、ここは「笑う」シーンなのだが、戸田女史はこの辺の事情を知らなかった様子。

ということでした。なるほど。第一作を担当され先日亡くなられた天才岡枝慎二さんの字幕を見たかったなあ、とふと思いました。