ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Jeff Beck @ 大阪厚生年金会館

kouseinenkin050709 クリームイエローのボディに白のピックガードのストラトキャスター。そこからいきなりBeck's Boleroのフレーズが流れ出した時、

生きてて良かった

と思いました。生きてる喜びを感じたのは、去年のボウイのコンサート以来です(*^^)v。昔と変わらぬウルフカットに精悍な体つきのジェフ・ベックは過去の総決算をするかのように2時間の間ストラトを弾き続けたのでした。

 会場4時半開演5時と早いので午前の仕事が終わって飛んで帰り、着替えもそこそこに大雨の中大阪へ向かいました。思ったより早くついてしまったのですが、ラッキーなことに会場前特別グッズ販売をやっていたのですかさずパンフレットと某品を購入。パンフにはジェフのサイン入りのものが混じっているとのことで期待して買いましたが残念ながらハズレ。
 ラッキーだったのは席。UDOの先行予約販売ではロクな席が当たった事が無かったのですが今回はなんと一階の前より中央という美味しい席でした。そしてロックコンサートには珍しく5時という早い時間きっちりにコンサートは幕をあけました。

JEFF BECK JAPAN TOUR 2005
July 9th. 2005, Osaka Kousei Nenkin Kaikan, Osaka

Jeff Beck - Fender Stratcaster  electric guitar
Pino Palladino - Stingray Fretless, Fender Precision electric Basses
Jason Rebello - keyboards
Vinnie Colaiuta - drums

Jimmy Hall - vocal

Special Guest
Jennifer Batton - Les Paul  electric guitar

 ステージ向かって左より中央にジェフ。後方にはマーシャルのPAが組んであります。その横後列ほぼ中央にドラムス。その向かって右側にベース。ステージ向かって右端にキーボード。アンコールで登場のジェニファー嬢はベースとキーボードの間に入りました。
 ベースのピノ・パラディーノは古くはポール・ヤング、最近ではジョン・エントウィッスル亡き後のザ・フーのサポートで有名なベーシスト。実際見るのは初めてでしたが、とにかく背が高いのが印象的。それに指が長い!!あれだとかなり離れたフレットでも軽々と押さえられますねえ。スティングレイのフレットレス・ベースがトレードマークといわれていますが、今日は殆ど普通のフェンダープレシジョン・ベースで堅実なサポートをしていました。フレットレスはまずはバラードの「哀しみの恋人たち」で初披露。フレットレスならではの柔らかな音色で存在感をアピール。本チャン最後の「蒼き風」ではベックの丁々発止のインタープレイを展開してくれました。
 ドラムスのヴィニー・カリウタはザッパやスティングのサポートで有名。大変パワフルでかつテクも凄かったです。
 キーボードのジェイソン・リベロはキーボードを弾いてなければ普通のどこにでもいるおじさんという感じ。他のメンバーがかなり精悍でかつ衣装を黒で統一していた中でちょっと浮いてましたが、演奏は素晴らしかったです。ジェフの盟友マックス・ミドルトンを彷彿とさせるスリリングなソロが印象に残りました。
 ボーカルのジミー・ホールはソウルフルなシンガー。JBGで言うとロッドよりボブ・テンチに近い感じ。あまり期待してませんでしたが、ライブで真価を発揮するタイプの人で意外によかったです。何よりもジェフがシャイで寡黙なので彼がいないとあまりにも静かなコンサートになってしまうところでした。ジェフときたら、ジミーが「Best Guitarist In The World!」と紹介してるのに殆ど無視して次の曲のイントロに入ってるんですからーー(^_^;)。
 今日の特別ゲストはアルバム「Flash」に参加していた女性ギタリスト、ジェ二ファー・バトン。ウッド調のレス・ポールを持ってアンコールに登場。チョイ太目のブロンドのおばさんでした。きっと若い頃は美人だったでしょう。Blast From The Eastで切れのいい演奏を披露してくれました。

 さて、ジェフ・ベックですが、結局ストラト一本で最後まで通しました。まあ、ストラトだろうがテレキャスだろうがレス・ポールだろうが全てジェフの音になる、と言われるくらいの人ですから何を持っても他の誰より似合うんでしょうけれど、やっぱりストラトを持つジェフというのは様になります。歯で弾くという以外のテクニックは全て披露してくれたんじゃあないでしょうか。右手はほとんどフィンガー・ピッキングでこなしていました。彼にはもうピックは必要無いんでしょうか!?そう言えばスライド奏法で使っていたボトル・ネックを右手に持ち替えてハーモニックス奏法(?かな)と思われるような透き通るような高音を出していたのが面白かったです。

 選曲は第一期JBGのボレロやMorning Dewから始まってまさにBest Of Jeff Beckというべき超豪華なセットリスト。同じグループがLP2枚しか続かないという気難しさがLed Zeppelinのような商業的成功を妨げたとの世評がずっとありましたが、逆にそれが今となっては大変バラエティに富んだ選曲を可能にしたと言えるかもしれません。私がジェフを好きなのは、ジャンルにとらわれない引き出しの多さとどのジャンルを演奏してもレイザーシャープな切れ味がありべたべたしていないところ。ブルースだろうがジャズだろうがフュージョンだろうが、もちろんロックだろうがそれにどっぷり浸かってしまうことなくすべて「ジェフ・ベック」というジャンルにしてしまうんですよね。本当に唯一無二のギタリストです。
 ギターの神様というとすぐジミ・ヘンドリックスの名前が出てきますが、ジェフは昔「ジミがやったことは全部自分がもう昔からやっている」と言い放ったことがあります。その彼が今回ジミの曲を2曲とりあげました。それも全てボーカル曲。ボーカルだけは彼の方が上と認めていたのか(^_^;)。

 最後に私にとってのベスト・アクトはやっぱり「Bloe By Blow」「Wired」からの選曲。Led Bootsは本当にスリリングかつヘビーで素晴らしかった。Scatterbrainは冒頭の9/8拍子16分音符の怒涛の指使いを見られただけで幸せでした。本チャン最後のBlue Windは先ほども述べたとおりストラトキャスター対スティングレイフレットレスの丁々発止の対決が最高でした。

 アンコールではPeople Get Readyの会場大合唱で興奮の坩堝となった後、ジェフとジェイソンのDUOでの虹の彼方にの演奏でクールダウンしてシメるという見事な構成でした。
 というわけでジェフもバックの面々も大変好調で、オーディエンスにも満足感謝していたようでよかったです。興奮冷めやらぬまま外に出るとまだ明るい(冒頭写真)というのがちょっと違和感あり(^_^;)か。

- 1st Set -
1. Beck's Bolero
2. Stratus
3. You Never Know
4. Cause We've Ended As Lovers
5. Rollin' And Tamblin'*
6. Morning Dew*
7. Behind The Veil
8. Two Rivers
9. Star Cycle
10. Big Block
11. Scatterbrain
Intermission(5 minutes)

- 2nd Set -
12. Nadia
13. Angel (Footsteps)
14. Led Boots
15. Diamond Dust
16. Hey Joe(Jimi Hendrix's Tune)*
17. Manic Deprssion(Jimi Hendrix's Tune)*
18. Goodbye Pork Pie Hat
19. Brush With The Blues
20. Blue Wind

Encore
21. Earthquake (abridged) **
22. Blast From The East **
23. Going Down *,**
24. People Get Ready*
25. Somewhere Over The Rainbow

* Vocal Tune
** join Jennifer