ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Nude/Camel(比で元日本兵生存!)

 フィリピンで元日本兵が生存というニュースには本当に驚きました。横井さんが発見されたのが72年、小野田少尉が発見されたのが74年ですからそれからまだ30年もたってーーとは。反政府ゲリラに参加していたらしいので、敗戦を知らずにジャングルに隠れていた、というわけではないんでしょうけど、本当によくご存命であったと思います。思わずこのアルバムを引っ張り出して聴いてみました。それにしてもCamelからブログのタイトルを頂いていながらレビューするのは初めてでちょっと緊張したりして(^_^;)
Nude
Nude

 今確認してみたら、このアルバムの発表されたのも1980年とはるか昔。Camelのアルバムの中でも随分後期という印象があったのでちょっと驚きました。当然アナログLPで、当時は最新鋭だったデジタル・ミキシング特製重量レコードで音質のよいことを売りにしていました。オーディオファイルの間でも当時ちょっと噂になっていましたが、今聴いても確かにCDに引けをとらない高音質だと思います。
 ライナーを見てみると、なんとズラ疑惑(失礼!)の独特のヘアスタイルで有名なオーディオ評論家石田善之先生がオーディオ評を書いておられます\(~o~)/

 閑話休題、なぜこのアルバムを持ち出したかというとこれ、所謂コンセプトアルバムで、

Mr.Oの帰還

というサブタイトルがついているんです。そう、小野田少尉の物語なのですね。当時失礼ながら落ち目だったキャメルがまだ人気のあった日本への感謝の気持ちだったのか、「The Snow Goose」のようなコンセプト・アルバムを日本のファンが望んでいるのを知っていてあてこんだのか、多分両方の思惑が合ったと思いますが出来上がったのがこれでした。

 故Peter Pardensが抜けて名実ともリーダーだったAndy Latimerは琴まで弾いております。Peterに代わってキーボードを担当しているDuncan Mackayは元コックニーレーベル、10cc。
 アルバムの出来自体は悪くはないと思いますし、私の好きなサックスプレーヤーMel Collinsも随所でいいプレイを聴かせてくれますが、やはり私にとってはPeterとAndyがいてこそのCamelだったんだなあと思わずにはいられません。

 それにしても、LPからCD更にはSACD,DVDと時代は進んで戦後60年。彼らの望郷の思い如何ばかりぞ、と思うと、胸が痛みます。戦争の愚かさを為政者がもう一度再認識するいい機会ではないかと思います。そういえばCamelの傑作「The Snow Goose」の原作だって戦争の悲しさを白雁に託した物語でした。
The Snow Goose [Bonus Tracks]
The Snow Goose [Bonus Tracks]