ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

そこまで憎むことはなかろう

 少し遅くなりましたが、ラグビースーパーカップの対ルーマニア戦に日本代表が勝ちました。
日本代表23-16ルーマニア代表
リンク: @nifty:Sports@nifty:日本、ルーマニアに逆転勝ち=29日の決勝は日本対カナダ-Sカップラグビー(時事通信).

 このところ不祥事が続いていただけにラグビー界にとっては嬉しいニュースとなりました。詳しい戦評はもう既にたけちんさんややまけんさんをはじめいろいろなブログでされていますので、あらためて詳説するまでもないのですが、TV録画を昨日見てみて感じたことなど書き留めておきたいと思います。

 基本的にはパワーで押しまくるルーマニアに対してディフェンスの技術で耐えながらターンオーバーをとりまくる日本と言う構図だったように思います。特に前半は日本は押されっぱなしで、下手したら3トライくらい取られててもおかしくなかったように感じました。本当に日本はパワーでかないそうにない相手に対してよく守ったと思います。特に後半も息切れせずに守りきったのは世界ランク上位のチームに対して立派でした。
 ただルーマニアはあまりにもミスが多く、また攻め手に工夫の無いチームだなあと思いました。トライは攻め込んでのシザースプレーだけが目立った程度で、DGもことごとく外してましたしねえ。正直

これが世界ランクで日本より上なのか?

というくらい技術的戦術的には大したことないチームと言う印象が否めなかったです。決勝のカナダがあれくらいターンオーバーさせてくれるのか、ラインアウトでヘマしてくれるのか、さらにランク上位のチームですからちょっと不安です。

 日本のオフェンスで目立ったのはなんと言ってもウィングの小野澤の突破力。確かに大畑をCTBに回してでも彼を使いたいというのはうなづけます。これからの日本代表で大畑ー小野澤ラインというのはとても魅力的なオプションの一つになったように思います。
 ただ逆を言えば今の日本が目指すシャンパンラグビー、すなわち相手にぶつかっていくのではなく空きスペースを突破しつつボールを継いでいく(壁にぶつかるのではなく扉を開く)という戦術を体現していたのは(特に前半は)小野澤くらいしかいなかったのではないか?という気もしました。

 大学生で先発した法政の森田君のかなり距離の出るキック力は確かに魅力的でした。ただ前半は緊張しすぎていたのかタッチキックに精度を欠いていました。これからもっともっと大舞台で経験をつんでいって欲しい選手です。昨季の早稲田勢では五郎丸君がワンプレーでしたがいい突破を見せて逆転の基点となりました。双方が疲れている時であの生きのいいプレーはとても魅力的でした。わが神鋼に入部した後藤君のプレーをもっと見たかったという気もしますが、の出来がよかっただけにあまり長い時間プレーできず残念でした。

 最後に実況アナのしゃべりで気になったのが「リベンジ」の濫用。

NHKよおまえもか(-_-;)

という感じです。前回のテストマッチで破れているので今回は雪辱して欲しい、という思いがこもっているんでしょうけど、英語の「revenge」というのはもっと強烈な復讐、たとえば親を殺された恨みを晴らしてやる、といった憎しみを込めた仕返しに使う言葉。このようなテストマッチにそこまでの憎しみはないでしょうに。
 今の国際情勢でいえばサッカー日本対中国戦で中国があれだけ騒いだ、或いは日本対北朝鮮を危なくて北朝鮮では開けないという向こう側の国民感情、というのがリベンジの思いに一番近いのではないかと思います。

 西武の松坂君がマスコミで公言してから流行りだした印象がありますけど、いまやアナウンサーが平気で使っていて聞き苦しいことこの上ないです。百歩譲って国内のプロ野球なんかで使う分には大目に見られるとしても、このような国を代表する選手同士が戦うテストマッチで使うのはいかがなものかと思います。

 もし馬鹿なアナウンサーやインタビュアが相手国選手に

リベンジされてしまいましたね

なんてインタビューしたら、相手国選手がどんなに不愉快な思いをするかと思うとひやひやしてしまいます。

俺たちの国が日本に対して何をしたというんだ!それともこの前の試合でそこまで憎しみを買うようなプレーがあったとでも言うのか

と国際問題にもなりかねませんよ、ほんと。