ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ノラ・ジョーンズ@大阪厚生年金会館

 マスターズ大会から一夜明けた4月11日、午後から年休を取ってノラ・ジョーンズのコンサートに行ってきました。2回目の日本公演です。前回も関西公演があったのですが、残念ながら仕事と折り合いがつかず断念したという経緯があり、今回は何とか行こうと昨年末から調整しておりました。前回はグラミー賞を総なめするという快挙の前でまだ日本では無名の頃でしたが、今回はなんと武道館を満杯にすると言う大スターになってしまいました。彼女のコンサートはそれこそブルーノートくらいのクラブでやるのが一番あっていると思いますね。そう言えば今日のOBNはFourplayだったのです。私にとっては非常に辛いバッティングでした(涙。

 定刻を少し過ぎてオレンジ色のキャミソールにジーンズといういでたちのノラがバンドのメンバーとともに登場。声の調子も良かったようで、水分の補給もなしに2時間弱のステージを出ずっぱりで美声を聞かせてくれました。

Feels Like Home Tour: April 11th, '05 at Osaka Kousei Nenkin Kaikan

Norah Jones and The Handsome Band

Norah Jones(vo,, p,, el.p)

Lee Alexander (b, el.b)

Andrew Borger (ds)

Adam Levy (g.)

Robby Mcintosh(g,, mandolin)

Daru Oda (vo, fl)

Setlist

01: The Prettiest Thing

02: Those Sweet Words

03: Nightingale

04: What Am I To You?

05: Turn Me On

06: I'Ve Got See You Again

07: She (Gram Person's Tune)

08: In The Morning

09: Carnival Town

10: Nearness Of You

11: All In This Together

12: The Long Way Home

13: Don't Know Why

14: Creepin' In

15: Above Ground

16: Sunrise

17: Come Away With Me

18: Life Is A Carnival ("The Band"'s Tune)

Encore

19: Seven Years

20: Lonestar

 当然ながら殆どが1stのCome Away With Meと 2nd(最新作)のFeels Like Homeからの選曲です。所属がブルーノートレーベルということもありジャズシンガーと見られがちですが、彼女はそんなことには頓着していないようで、カントリー、ロック、ソウル等色んな音楽を楽しんでそのエッセンスを消化しているようです。今回もカントリーロックの始祖といわれる亡きグラム・パーソンズの曲(7)、古いテネシーのカントリー曲(11)、「白人グループで最も重要なバンド」と紹介したザ・バンドの曲(18)などをちりばめていました。

 メンバーは6人。オリエンタルな女性二人といかにもアメリカっぽい中年男性4人。家内がハンサムバンドなのにハンサムな人がいない、と言い切っておりました^^;。前列中央から向かって左にグランドピアノ(ヤマハ)、エレピを配してあり、ノラのスペース、向かって右がギター二人のスペース、右端にダルのスペース、後列は少し上がっていて向かって左がベース、中央がドラムスとなっており、それぞれにペルシャ絨毯が敷いてありました。基本的にはこの構成での演奏が続きましたが、11からの数曲はギターの前にみんなが集まってノラを囲むようにアット・ホームな雰囲気での演奏でした。先程彼女の音楽を楽しむには会場の規模が大きくなりすぎたと書きましたが、それを意識したかのようなクラブでのミニ・ライブ的な感じで、とてもよかったです。

 女性はノラダルオリエンタル二人組。ノラはご存知のとおり、有名なシタール奏者ラヴィ・シャンカールの娘さん。今は全く音楽上でも私生活でもつながりはないようですが、今回のコンサートでじっくり尊顔を拝見し、その彫りの深い顔はまさしくインド系の血を受け継いでおられるなあと思いました。独特の甘い時々ハスキーになる声と豊かな声量が持ち味で、先程書いたように水分も取らず出ずっぱりで楽しませてくれました。10はジャズのスタンダードですが、ソロでピアノの弾き語りでした。ピアノの腕もなかなかのものでした。

 ダルはセカンドネームと顔立ちから明らかに日系の方と思いますが、今回のパンフによるとアメリカ生まれアメリカ育ちの方のようです。もともと声楽を習っていたそうで、ツアー・マネージャーからバンドに参加。今回はバック・ボーカルとフルートを担当。それほど出番はないもののむくつけき男どもの中にあって柔らかな雰囲気つくりに貢献していました。14ではノラとツイン・メインボーカルも披露。

 そういえば、左上腕にタトゥーがありました。「我慢」と彫ってあります。日系ということでいろいろあったんでしょうか。それにしてもDaruという名前は何系?

 男4人のうちギターのケヴィン・ブライトがこられなかったのは残念。この人のスライド・ギター好きなんですけどね。ピンチヒッターはイギリス生まれのロビー。プリテンダーズに途中参加して長くいた人です。ライブ・エイドにも出てたはず。今回はリードギターのアダムのサポート的役割とはいえ、スライドギター、アコギ、マンドリンと大活躍でした。そのリードギターアダムさん。一番中年っぽい禿げ上がっておなかの突き出たおっさんですが、レス・ポールを持たすと突然カッコイイギタリストに変身(・_・;)。とにかくバンドの中で一番目立ってました。

 リズム・セクションの二人は私から見るとなかなかの男前です。ベースのリージェシー・ハリスとともにノラに楽曲を提供したりして 音楽面で大きな貢献をしている人です。5弦のウッドベースをメインに、時々プレシジョン・ベースを持ったり、前に集まっての演奏ではコントラバスを弾いたりと活躍しておられました。柔らかでいて骨太なタッチはCDでもいいなあと思っていましたが、生で聴いても素晴らしかったです。ドラムスのアンドリューもいくつか見せ場を作っておりました。特にハードでブルージーにアレンジした6でのノラとの絡みやソロは素晴らしかったです。前に集まったときは鼓笛隊のように太鼓を打ったり、椅子(PA?になってるのか)を叩いたりしてました。

 音響はまずまずクリアでよかったです。時々ノラの声が飽和して頭打ちになる感じがありましたが席が3階というせいもあったかもしれません。折角先行予約したのに3階かよ、UDOさん、と文句の一つも言いたくなりますが、まあコンサートの出来が良かったので満足して帰路につきました。