前から見たいと思っていたのですがやっと見ました。
タイのムエタイ・アクション映画。原題は「Ong-Bak」、首を盗まれた仏像の名前。「マッハ」の意味も!!!!!!!!の意味も不明(?_?)。ＣＧ無し、スタントマン無し、ワイアー無しが売り。
地方の寒村から奪われた仏像の首を取り戻すべく仏像密輸マフィアとの壮絶な戦いに挑む主人公。とあらすじを紹介してしまえばどうってことないどこにでもあるような映画なのですが、ムエタイの迫力がスゴい。だからスタントやワイアー、ＣＧを使わないと言うことを前面に押し出した映画会社の戦略は正鵠を得ていると思います。そう言う前知識があると出演者の演技が本当に体を張っている事が分かって、すごく興奮してしまいますね。辛口の批評をされるneuvo cinema paradisoさんやＴａｋ Saekiさんが結構好意的な評価をされておられるのもそう言う点にあると思います。
ただ、バックグラウンドとなる設定は結構暗めで、あっけらかんと馬鹿笑いしながら見られる映画でもありません。おそらくブルース・リーのドラゴンシリーズを意識しているのでしょうけれど、主人公が耐えに耐えて最後に怒りを爆発させると言う設定はどうしてもそういう暗い面が出てきてしまいますね。
仏像がテーマになっているところや、悪役が最後の最後に仏罰（このアイデアは秀逸）を食らうところなどさすが仏教国タイですが、都会と地方の生活や意識の格差、出家を嫌がって都会に出てくる若者、そしてその都会での麻薬の蔓延とおそらくタイが今直面しているのであろう社会問題が否が応でも背景に出てきています。だから最後に主人公が出家しても、もう一つハッピーエンドで無いような後味が残りました。
そう言う意味ではエンドロールのバックでメーキングフィルムが流れ、主役悪役ともども笑って和気藹藹と作っているのを見るととホッとしましたね。
