ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

BDRのボードで遊ぶ

 放置プレイの憂き目にあっておられたTak Saekiさんのところにもついにケーブルが届いたようで、ご同慶の至りです。クリスマスの季節を見越しての(をい)「光る光るシナジー」御投入の御様子。私のほうはこの一週間黒光りするボードで遊んでおりました。そう、先日に記事で書いたルーツサウンドさんで購入したブツです。

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Black Diamond Racing(BDR)社製オーディオ用ボードThe Shelf1915です。(上に載せているのは前からあったThe Pit Mk3+Pyramid Cone Mk3)パワーアンプの下に敷く目的で購入したのですが、「折角のおもちゃ、遊ばない手は無い!」と思って、ターンテーブル、CDP、プリと順番に試しているうちに、ウウッ---、ということで顛末記。

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 先ずはターンテーブル。ボード+Pyramid ConeMk3を三点受けで聴いてみました。Hoteiさんに教えてもらったトーンアーム側一点受けで微妙に位置を調整していきます。試聴LPはノラ・ジョーンズCome Away With Me

 一聴して判るのはS/N比の向上。最初はヴォリュームを下げたのかなと思いました。ところが出るべき音楽は普通に出ています。そしてアナログ特有のバックグラウンドノイズもよーく聴くと聞えるのですが、音が澄み切ってまるでCDを聴いている様。もちろんCDに対抗すべく買ったライラのヘリコンの実力なんでしょうが、アナログのD-レンジの限界を超えているんじゃあ?と思うくらい。

 次に感じるのは不思議な音場感。ノラの声がぐっと前にせり出してバックの演奏がやや深みをまし、特に端っこの方は後ろへ下がる感じ。LPを交換してジョニ・ミッチェルのライブ(Shadows and Light)などを聴いてみると観客の拍手が左右のSPの後ろ外方に広がっています。うまく表現できませんが軽く魚眼レンズをかけた感じというか、FFXを覚えておられる方ならブリッツボールの巨大な水球が浮かんでいる感じというか。

 しかしもちろん一つ一つの音には歪みはありません。音に独特の美音系の陰影が少し付いていますが嫌な感じはありません。これは、もしかしたらサントリーの樽を使ったターンテーブル固有の音質なのかもしれません。

 それから2,3日LPを次から次へとっかえひっかえしてみましたが、とにかく雑な音が一切出ないです。自分で言うのもなんですが、高貴な音とでもいいましょうか。ジョニのライブで聴くパット・メセニーのギターのハーモニックスも、力強い上に全く濁りが無くて美しい。だから逆にルードさを残しておきたいKCのREDなどは少し綺麗に整理されすぎている感じもあります。

 でもーーーそれでもいい、このまま外したくない!と思うくらい痺れてしまいました。

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 遊びついでにThe Pit Mk3+Pyramid Cone Mk3をボードの下に三点受けしてみました。更に音量を上げても大丈夫という安心感は出ましたが基本的にはそれほどの変化はないようです。見かけ上ちょっと危なっかしいし通常音量で聞く限り最初のセットで良いようです。

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 後ろ髪を引かれる思いでターンテーブルを元に戻して、次はCDP。試聴CDはFourplay, Daniel Lanois, Rachael Yamagata、Miyuki Nakajima, Diana Krall等。

 何もなし、ボードのみ、ボード+コーン3点受けと順番に試していきます。基本的にはターンテーブルの時と同じ方向で音は変化しますがもともとアナログと違って最初からS/N比は良い訳で、残念ながら澄み切っていくという前回のような感じはありません。ヴォーカルは力強く前にせり出していますが、若干サ行の強さも感じます。これは最初のセッティングであったThe Pit Mk3+Pyramid Cone Mk3の三点受けに替えるだけの必然性は感じませんでした。ただ、CDPをラックの一番上に持っていってやればもっと開放感が出て印象も変わるのでは、という気もしています。なかなか制約があって出来ていないのですが今後の検討項目と思っています。

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 そして最後にプリの下にチャレンジ。今まではPits無しでPyramid Cone Mk3の四点受けでした。このプリは大きくて重く、さらには当然ながら外さなくてはいけない端子も多いので、ここは一発勝負でボード+コーン三点受けに挑戦。C-290Vは向かって左側に電源トランスが寄っているので左を二点右を一点で受けてみました。

 おお、なんだこれは!?今までの美点はそのままに、いきなり音場が風船が膨らむようにあの不思議な楕円球の形のままで大きくなりました。SPの外まで音が大きく広がっております。そして見通しのよくなった音場の中に楽器の一つ一つが精密にあるべき場所に定位します。C-290VはC-2800に比してやや音場が狭いという点を残念に思っていたのですが、これならOK。

 ところが少し気になるのが低音の出すぎ。これくらいのほうが良いという方もおられる程度ではあると思うのですがやや私にしてはブーミー。Hoteiさんに習ってコーンの位置を色々と動かしてみるのですがなかなか締まりません。諦めかけて最後にダメモトで一個余っていたコーンを入れて四点受けにしてみると---久々の

一発大逆転\(^o^)/

 見事に締まりました。その上に音の力感が今までと一ランク違う感じ。それから毎日いろんなCD、LPをかけまくっていますがどれもいいです。KCのREDもルードさをちゃんと残しながら叙情的な場面では音場がちゃんと透き通ります。以前moondialさんのブログを参考に購入したRachael Yamagataハプンスタンスですが、moondialさんのおっしゃる声の靭さというのを今一つ実感できずにいましたが、それも判るようになりました。ハードな曲のひとつ「Letter Read」では昔ロックバンドにいた頃に鍛えられたと思われる声が凄みを増し、それに加えてバックの演奏の迫力が追いついてきました。一方でバラードでは女心の哀しみをしみじみと出しています。時折声がかすれる所などぞくっとしますね。

ハプンスタンス

 というわけで、もう外せません。どうしよう、パワーアンプーーー。まだ全然試してないよう(T_T)。