ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

屈折する星屑たちー邦題あれこれー

今日は英国ロックアルバムの邦題の思い出を。
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 30年間もの間、関西のラジオ界の聴取率トップをひた走る偉大なるマンネリズムありがとう浜村淳です」のパーソナリティ浜村淳さんの最近の口癖は

「昔は洋画の邦題を配給会社が智恵を絞って考えていたが最近は原題をそのままカタカナにしただけで意味が判らないし味気ない」

というものです。確かにそうですね。以前取り上げた小さな恋のメロディなんかも邦題が良くって日本でだけ成功したという伝説があります。しかも原題の「Melody」は女の子の名前だったのに音楽のメロディと勘違いしてつけたというエピソードのおまけつきで。日本の配給会社の情けなかったところは二匹めのどじょうを狙って、その後原題と何の関係もなく次々と「~のメロディ」という邦題をつけたこと。みんなコケてましたね。

 邦題といえば、私の中高生の頃はロックのアルバムの邦題も刺激的でした。何か子供が覗いてはイケないものなんじゃあないかとワクワクドキドキさせるような題名のアルバムが、レコード屋さんのショーケースに並んでいました。 今でも強烈に記憶に残っているのは
 「原子心母」 Atom Heart Mother/Pink Floyd
 「対自核」  Look At Yourself/Uriah Heep
 「危機」    Close To The Edge/Yes
 「恐怖の頭脳改革」   Brain Salad Surgery/Emerson Lake & Palmer
など。特に原子心母や対自核なんか直訳でありながら実に刺激的ですね。これを原題どおりカタカナにしていたら多分日本であれだけのセールスは無かったんじゃないかと思います。

 さて、冒頭に掲げた写真、まあ凄い邦題ですね。良くぞこれだけ見事に勘違いのまま直訳してくれたと涙がでますよ、ホント。実はこれ、70年代ロックの中で最も影響力を持ったアルバムに選ばれたDavid Bowieの傑作
 The Rise And Fall of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars
なんです(T_T)。直訳とはいえ、本来アルバムのコンセプトのとおりに邦訳するなら
宇宙から来たロックスター”ジギースターダスト”と彼のバックバンド”スパイダーズフロムマーズ”の栄枯盛衰
となるはずなのですが、まあ当時デモテープを聴いただけじゃあわからんかったんでしょうね。さすがに今は「ジギースターダスト」に変更されています。この頃は私、最近衰え気味の記憶力の確認に使っております(^_^;)

さて最後に英国ロック史上最強(最凶?)の邦題を。原題は”Blow By Blow"です。
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