ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Day Breaks / Norah Jones

Day Breaks

  先日はレイチェル・ヤマガタの新譜を紹介しましたが、この人も同じく4年ぶりの新譜となります。ノラ・ジョーンズの「Day Breaks」です。
 出産などでブランクのあった彼女ですが、2014年にBlue Noteの75周年を祝うイベントで、マッコイ・タイナーウェイン・ショータードクター・ロニー・スミスロバート・グラスパーといったジャズ界の巨人たちと共演。それに触発され、自宅のキッチンにおいているピアノで、本作の制作をスタートさせたそうです。

01. Burn 
02. Tragedy
03. Flipside 
04. It's A Wonderful Time For Love 
05. And Then There Was You 
06. Don't Be Denied 
07. Day Breaks 
08. Peace 
09. Once I Had A Laugh 
10. Sleeping Wild 
11. Carry On 
12. African Flower (Fleurette Africaine)

『 BlueNoteレーベルを代表する世界的な女性アーティスト、ノラ・ジョーンズの約4年ぶりとなるアルバム。今作は全世界で大ヒットを記録した2002年リリースのファースト・アルバム『ノラ・ジョーンズ(原題:Come Away With Me)』を彷彿とさせるような、彼女のピアノが全編に渡りフィーチャーされた、ジャズのルーツに戻りながらも、カントリー、フォーク、ロック、ソウル、ジャズという、アメリカ音楽の基盤であるこれらの音楽を1つにした唯一無二のサウンドとなっている。 (AMAZON解説より) 』

 進行状況の情報はFacebookで入ってきていましたし、先日NHKの「SONGS」で懐かしの「Come away with me」「Sunrise」とともに新譜から「Flipside」「Carry On」も演奏してくれていたので楽しみにしていました。先日やっと届いて聴いてみたのですが、,,

  率直に言って世評ほどの出来かな、と首をひねりました。レイチェルと同様に聴き続ければじわじわ沁みてくるかな、とヘビロテで聴き続けていましたが、う~ん、評価の難しいアルバムです。

 久々のアルバムとしてはよくできているのでしょうけれども、「SONGS」で披露した二曲以外、キラーチューン的な曲はないかなあ、という感じです。
 デビュー作と同じくピアノでの作曲でジャズに回帰したと言っても、彼女のヴォーカル自体はジャズシンガーのそれではない。もちろんデビュー作もジャズ歌唱らしいのは「Nearness Of You」くらいでしたが、今回はホレス・シルバーのカバー「Peace」にしてもジャズ歌唱と言えるかどうか。バックにブライアン・ブレイドウェイン・ショータージョン・パティトゥッチ等がついている分、完全に演奏がジャズだけに逆に違和感がありました。

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 期待が大きすぎたのだろうかと、過去のアルバムを引っ張り出してきて全部聴いてみましたが、やはり彼女にはカントリーっぽいポップスの方があってる感じですね。そしてその持ち味と微妙なジャズフレイヴァーがマッチしたデビュー作「Come Away With Me」は奇跡的な作品だったのだな、と思いました。

 録音も曲ごとにややむらがあり、とくにノラのヴォーカルが滑舌が悪く感じてしまうような曲も気になりました。

 まあ、また後日聴いてみて印象が良い方向に変わればいいなあと思います。