ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

on-doc. vol.26 @ 加古川ウェルネスパーク

Ondocposter

 原田知世様命のゆうけいです。今日11月21日午後、ついに念願のon-docに行ってきました。
 「on-doc.」とは原田知世さんと最近の音楽パートナーである伊藤ゴローさんの二人で行う「歌と朗読の会」です。俳優業と歌手の二足の草鞋を履く知世さんがその両方を活かせるような催しができないかとゴローさんと相談して2011年から始められたプロジェクトです。

 例えば今回主催された加古川の紅茶洋菓子専門喫茶チャッツワースやグロリアチャペル、京都の酒蔵、更には旅館の大広間など、何れも少人数の会のためなかなかチケットが取れず、いつかはと思いつつまだ未経験でした。
 今回はチャッツワースの店長岸本さんの尽力で、加古川ウェルネスパークアラベスクホールというとても綺麗なホールで行えることになったそうです。ちなみに最少人数はチャッツワースの30人(行きたかった!)、最高は今回のアラベスクホールで300人程度、どちらも加古川、ちなみにホールでは初めての試みだったそうです。

 その岸本さんにつてのある当ブログで昔から進行のあるtakiさんがチケットの仲介をしてくださり行く事ができました。takiさん、本当にありがとうございました。もう、えも言われぬ幸せな時間を味わうことができました。

Kakogawawellnesspark
(アラベスクホール外観)

Tomoyo Harada  歌と朗読の会
on-doc. vol.26

2015.11.21 14:30 - 16:30

加古川ウェルネスパーク アラベスクホール
主催: チャッツワース

原田知世 朗読、歌
伊藤ゴロー 音楽、演奏

第一部: 朗読
1: 甲斐みのり 「ふたり」
2: 江國香織 「デューク」

第二部: 歌
1: Fly Me To The Moon
2: シンシア
3: 名前が知りたい
4: Don't Know Why
5: 夢の人

アンコール
時をかける少女

  加古川は私がこの職について初めてローテーションした病院のある町ですが、もう随分昔の話、昭和57年のことです。この年は角川映画時をかける少女」で原田知世さんがデビューした年でもあり、私と知世さんは社会人のキャリア年数が同じなのです(嬉。おまけに知世さんは来週が誕生日、私はその次の週が誕生日、同じ射手座の星のもとに生まれたのでございます(嬉嬉

 閑話休題ウェルネスパークなんて聴いた事ないなあ、と思ったら加古川の名所平荘湖の近くで、とても広大で新しい施設でした。そして会場のアラベスクホールは天井が大きな船の底のようでとても綺麗でした。そして木の響きの美しい会場でした(本当は葉脈を意識したデザインの天井だそうです)。

Chatworthcakeandtea
(チャッツワース特製のフルーツケーキとホットティー、美味し)

 昼食を食べる暇がなかったもので、定刻前にチャトワースの紅茶と特製のフルーツケーキをロビーで食べて一息つきました。
 そして会場に入ると、なんと三列目という知世さんを間近に見られる座席、やった~!とまたまたtakiさんに感謝しきり。ステージには趣味のよいシンプルな丸テーブルとライトスタンド、両脇に木の椅子があり、向かって左手の知世さん、右手がゴローさんでした。知世さんの椅子の前にはキャンドルライトが数本光っています。そして側方の小テーブルには数冊の本が積んであります。

 定刻を20分くらい過ぎて、ついに知世さんとゴローさんが登場。知世さんは白い清潔なブラウスとふんわりとした黒のパンツという素敵な衣装にスニーカー。にこやかに二人が挨拶され、椅子に座ります。ゴローさんの美しい響きのボサノバギターの調べが流れ始めるとおもむろに知世さんが本を手にとられ、朗読が始まりました。

 一冊目は甲斐みのりさんの絵本より、「ふたり」という詩の朗読です。いつも書いていることですが、昔のちょっと鼻にかかった甘ったるい声から卒業し、透明感のあるよく通る美しい声が会場に響き渡ります。歌とは違った魅力に溢れていました。
 二冊目は江國香織さんの「デューク」という掌編で、これがとっても素晴らしかったです。「エーデルワイス」のサビメロがゴローさんのギターから流れ、知世さんの朗読が始まります。
 長年飼っていた牧羊犬デュークを老衰で亡くした女性主人公が泣きながら町を彷徨っています。そして電車の中で周囲の視線から庇ってくれた少年にコーヒーをおごり、少年に連れられてプールで泳ぎ、美術館でインドの細密画を鑑賞し、最後に落語を聞きにいきます。それまでは気が紛れていた主人公ですがデュークが落語を好きだったことを思い出し再び悲しくなってしまいます。そして夜の銀座の街角、別れ際に少年は主人公にキスをします。主人公は驚きます。それは突然だったからではなく、、、「その感触」「なつかしい目」「僕も愛していたよ」

 小説として活字で読んでいたら、こっ恥ずかしくなるか、あるいはそんなことあるわけないじゃん、で終わってしまったかもしれませんが、知世さんの朗読を聴くと二人の姿が目に浮かぶようで、キスは息が止まるようで、そして走り去っていく少年を追う主人公の視界とクリスマスソングが流れる銀座の街角が実際に見えるようで、、、

 欧米ではよく小説家が朗読会を行いますが、その魅力、言葉の持つ力がよくわかりました。

 後半は音楽。ゴローさんとのDuoという最近の私のツボの演奏が続きました。まずは直近の洋楽カバー集「恋愛小説」から定番の「Fly Me To The Moon」。

 そして一曲ごとの合間は前半と違い、歌の合間の知世さんのお話が盛りだくさんでとても楽しめました。

 鳥肌が立ったのが二曲目。ゴローさんのイントロでもしやっ!と思ったらやっぱり「シンシア」!私の一番好きな曲で、それもゴローさんとのデュオですからこれも大好きなアルバム「Music & Me」版です。陶然と知世さんの歌声に聞き入っていました。

 続いてゴローさんプロデュースの「Noon Moon」から池澤夏樹さんの「名前が知りたい」、これは岡山でも聞いた曲ですが知世さんのお気に入りのようで歌唱の説得力が以前より更に増した感がありました。
 そして再び「恋愛小説」からノラ・ジョーンズの大ヒット曲「Don't Know Why」、ビートルズの「夢の人」、もうビルボード大阪へ行けなかった鬱憤を十二分に晴らすことができました(笑。

 アンコールは予想通り「時をかける少女」。当然これも「Music & Me」バージョン。これもよかったですが、その前にゴローさんがチャッツワース特製のバースデイケーキを持って現れるサプライズに知世さんが驚きながらとっても嬉しそうにされているのが印象的でした。「Music & Me」で40歳の記念に「時をかける少女」の封印を解かれたのがウン年前。本当によい歳を重ねられていますね。

Ondocgoods
(on-docグッズ; トートバッグ、iPhoneカバーケース、芦屋の有名店ウーフとチャッツワースのコラボon-doc特製紅茶)

 というわけで至福の2時間でした。一度だけ、確実に知世さんと視線が会いました(^_^;)、やったね。

Heisoukolake

 帰りは高速が工事規制で大渋滞していることがわかっていたので、久々に平荘湖から加古川沿いを北上し、三木へ抜ける道を走ってみましたが、以外に土地勘が残っていました。暮れなずむ湖はとても綺麗でした。