『天正年間──伊賀の里は六万の織田勢の包囲を受け、存亡の危機にあった。百地の志能備・勘兵衛は織田勢の包囲網を突破して歴史を変える一本の巻物を紀伊へ届けるよう命じられる。だが巻物の名は“コウモリの書”!! 勘兵衛がコウモリを操るか、はたまた操られるか……!?』
「もうめまぐるしい展開で、先の予想が全くつきません。」と前回書きましたが、今回は一場面だけを除いて、前号で登場した日本の戦国時代、織田信長による伊賀攻め間際に密書を託されて逃走する忍者を主人公に据えて一巻じっくりとストーリーが展開します。少し落ち着いたと言うところです。もちろんこのコンビの作品ですので高水準のストーリー展開と作画は保証されていますので安心して読み進められますが、ストーリー初頭の戦後の日本の黒い霧に包まれたスリリングな展開とは全く別次元の話になってしまいました。
「Billy Bat」なる、人の心の弱さにつけこむまるでファウストのメフィストフェレスのような道化回しを使えば長崎x浦沢コンビであればどの時代ででも自由闊達なストーリー展開が可能でしょうけれども、さて、それをどこまで広げた上でどの時点に収斂させていくのか、今後の展開がちょっとまだ読めない、もやもやする~(ピーマンズスタンダード風)第3巻でした。