ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Live 1969 / Simon & Garfunkel

Live 1969
 私が物心ついて洋楽に興味を持ち始めた頃、「2人が4人の人気を追い越そうとしている」というあおり文句を色々な雑誌で目にしました。4人とはビートルズの事で、2人とはサイモン&ガーファンクルの事でした。その2人が行った1969年のツアーは彼らの最大のヒット作「明日に架ける橋」の次のアルバムに収録されるべく録音された筈でしたが、その後間もなく2人がコンビを解消したため長い間「幻の音源」とされていました。その録音が先年、アメリカのスターバックス限定で発売され、マニアの間では垂涎の的でしたが、ついに一般発売になりました。と言うわけでベストハウス図鑑ではありませんが、「押さえました」。

1. Homeward Bound
2. At the Zoo
3. 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)
4. Song for the Asking
5. For Emily, Whenever I May Find Her
6. Scarborough Fair/Canticle
7. Mrs. Robinson [From the Graduate]
8. Boxer
9. Why Don't You Write Me
10. So Long, Frank Lloyd Wright
11. That Silver-Haired Daddy of Mine
12. Bridge Over Troubled Water
13. Sound of Silence
14. I Am a Rock
15. Old Friends/Bookends Theme
16. Leaves That Are Green
17. Kathy's Song

Paul Simon (vo & g )
Art Garfunkel  (vo)

Joe Osborne (bass)
Hal Blaine (ds)
Fred Carter, Jr  (g)
Larry Knechtel (kbd)

 彼らのライブと言えば1981年のセントラルパークのアルバムがあまりにも有名ですが、あれは久しぶりの再結成コンサートでバックも当時のStuffの面々がサポートしていました。ですので彼らのオリジナルアルバム中に収録されている現役時代のライブとはかなり雰囲気が違っていました。一方このアルバムではジョー・オズボーンをはじめとする気心の知れたサポートメンバーとの全盛時のまさに「リアルタイム」のパフォーマンスを聴く事ができます。ですから聴きなれた曲ばかりにもかかわらず、どの曲も瑞々しさに溢れていて聴き飽きません。凡庸な表現ですが1969年にタイムスリップしたかのようです。

 観客の反応もリアルに捉えられています。先ほど聴きなれた曲ばかりと書きましたが、このツアーの時点では「明日に架ける橋」はまだリリースされておらず、観客は後に彼らの代表作となる「明日に架ける橋」をはじめとして、このアルバムに収録されている4,8,9,10,12は初めて聴く曲だったはずです。。。「羨ましい」の一言ですね。

Here is my song for asking
Ask me and I will play
So Sweetly, I'll make you smile
(lyrics from "Song For Asking")

君たちの望む歌を僕は書いてあげる、そして君たちを笑顔にしてあげる」という実にシンプルな歌詞がポールの心からのメッセージであった事をこのライブ音源は教えてくれます。そしてそれが「あの時代の空気」を触媒として生まれたものであり、その後のまたたく間の音楽産業化の波にのまれて永遠に失われてしまったものである事も痛切に感じます。S&Gはもうすぐ来日公演を行いますが、行かれる方はこのアルバムを聴くのは後にした方が良いかもしれませんね。

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